ウインドウォッシャー液はエンジンルームにある噴水のようなマークがついた容器に入った液体。主に窓ガラスに噴射させるものでレバーもしくはスイッチを押す事で作動する仕組みです。
ですが、ウインドウォッシャー液は消耗品と
いう事で使い続ければ空になることがあります。
そんな時に

これってわざわざウォッシャー液を新しく買わなくても水道水(水)で代用できるのでは。
と思う方も中にはいるのではないでしょうか?
確かに役割だけ見れば窓に付着した汚れや付着物が落ちればいい訳ですから、同じような液体なら問題ないように感じます。
ですが、結論だけ先に言えば水道水を代用することはお勧めしません。水道水とウォッシャー液ではそもそもの性能が異なるため別物と考えるのが正解です。

この記事では、そんなウォッシャー液の問題について代用できない理由をまとめてみました。
・水道水と混ぜて使う事は出来るのか
ウォッシャー液の代わりに水道水がおすすめ出来ない理由
水道水がおすすめ出来ない理由には以下3つがあります。
・ノズルやタンク等にダメージを与える
・水道水を入れると寒い日に凍結する
タンク内の水が腐る
1つ目はタンク内の水が腐ること。

なんで水道水は腐るの?

原因として考えられるのが水道水に含まれる不純物や微生物の混入だね。
水道水はあくまで人が飲めるもの。つまり人体に影響がないのが前提ですよね?なので、下手に微生物を無くす薬品を入れると人体に悪影響を与えてしまいます。
ただ残留塩素と呼ばれる薬品は含まれるので、不純物や微生物などの繁殖はかなり抑えられています。
この不純物が腐敗をもたらすために、
タンク内でカビが生え腐ると言う訳ですね。

たとえば、魚を入れた水槽で想像してみよう。
水槽に水が入った状態では入れたばかりなので綺麗な水です。しかし、時間がたってくると水槽内の水が汚れてきませんか?
主な原因は魚のフンや餌の残りなどの不純物が原因。時間の経過と共に菌が増殖して腐敗をもたらします。
それと同じで、ウォッシャー液の代わりに水を入れると、長時間放置で不純物が原因で菌が増殖してカビが発生して腐敗すると言う訳です。
ノズルやタンク等にダメージ
2つ目はノズルやタンク等にダメージを与えること。
1つ目でも言ったように、水道水には
残留塩素と呼ばれる薬品が含まれています。
この効果によって不純物や微生物などの繁殖を抑えられますが、その反面で塩素には少なからず腐食効果があるのでノズルやタンク等にダメージを与えるリスクがあります。

すぐにどうこうなる訳ではありませんが、長期間使用する場合は注意が必要。
水道水を入れると寒い日に凍結
3つ目は寒い日に凍結すること。
ウォッシャー液には不凍液があるので問題はありませんが、水道水にはウォッシャー液と違い不凍液が含まれていないので冬のマイナス気温では凍結するリスクが高いです。

不凍液ってなに?

不凍液は名前の通り水を凍りにくくする液体だね。
寒冷地などで凍結しないように作られた液体の事。この不凍液によって、−30℃や−40℃などでも対応できるように作られています。
逆に水道水には一切含まれていません。というのも、水道水はあくまで人が飲める範囲で作られているため。もしも水道水に不凍液を入れると人体に悪影響を与えてしまいます。
たとえば、不凍液に含まれるエチレングリコール。複数ある液体のうちの1つで、特に人体に危険とされています。
エチレングリコールが体内で分解されることでグリコール酸やシュウ酸の2つが起き中毒症状の原因となります。初期症状は薬物中毒・嘔吐・腹痛。その後の症状には、意識レベルの低下・頭痛・発作など。
結果として不凍液が使えない為に水道水では凍結する事になります。

夏場なら特に問題ないですが、冷間時等の寒い時期にタンク内の水が凍結してしまう事があります。
水道水を混ぜて使う事は出来るのか?
続いて疑問に感じるのがウォッシャー液と水道水を混ぜて使う場合。
先程、ウォッシャー液の代わりに水道水は危険。そう説明しましたよね?なら、ウォッシャー液と水道水を混ぜ合わせて使うのはどうなのでしょうか?
基本的に薄めるのはダメ!
水道水とウォッシャー液を混ぜ合わせて使う。アリかナシでいえばナシです。

混ぜ合わせるなら不凍液と防腐の両方あるから大丈夫じゃないの?

確かに一見大丈夫そうにみえるんだけど、実際はそうでもないんだ。
というのも、ウォッシャー液に含まれる
・防腐剤
この2つは、ウォッシャー液を原液のまま
使う事を前提で作られたものです。
なので、水道水と混ぜ合わせると性能低下で効果が落ち、十分な性能を保つことができなくなってしまいます。
なので基本的にはウォッシャー液は薄める事なく原液で使いましょう。
ただし希釈タイプは問題ない
ただ、希釈OKまたは希釈前提のタイプは
薄めて使用する事に問題はありません。
たとえば、オールシーズンウォッシャー液。

効果自体は普通のウォッシャー液と変わりありませんが、説明欄の所に【3倍希釈までOK】とあります。
一見すると混ぜる事が出来なそうに見えますが、3倍希釈までOKと記入してあるので、この場合には混ぜても問題ありません。
原液自体が濃い目に作られているので、効果が薄まる事がありません。なので、実際に使う場合にはウォッシャー液に合わせて補充するようにしましょう。
※ウォッシャー液の補充のやり方が知りたい方は【作業はたったの1分”自宅でも簡単にできるウォッシャー液補充のやり方”】を一緒に参考にしてみてください。

結論:ウォッシャー液の代わりに水道水はおすすめできない
以上、ウォッシャー液の代わりに水道水がおすすめできない理由をご紹介しました。
今回の記事を簡単にまとめると、
以下のようになります。
ノズルやタンク等にダメージを与える
水道水を入れると寒い日に凍結する
ただし、希釈タイプに関しては問題ない
知らずに水道水を入れる事でウォッシャー液を使いた時に使えず、汚れを落としきれずに事故を誘発する原因にもなりかねません。
ただ、希釈OKまたは希釈前提のタイプは薄めて使用する事に問題はありません。原液自体が濃い目に作られているので、効果が薄まる事はない。
ですので、もしウォッシャー液が切れてしまった場合には、
・希釈OKの場合には混ぜても問題ない
どちらが最適なのかを理解した上で使う事が大切です!

知らないまま入れて後悔するよりも、事前に知って後悔の無いようにしましょう。