今回ご紹介するのは油圧式パンタグラフ
ジャッキが上がらない原因についてです。
油圧式パンタグラフジャッキは車にも車載
できるコンパクトサイズの工具の一つ。
主にタイヤ交換などで使われる
ことが多いですが…
ふとした時にジャッキが上がりきらないと
いう問題が発生することがあります。
どんなに回しても変わらないんだけど。
こんな時、どんな対処をするのが正解なのでしょうか?
この記事では、『油圧式パンタグラフジャッキが上がら無くなる原因が知りたい。』こんな方向けに気になる原因やその時の対処方法について詳しくお伝えしていきます。
※ジャッキ・ジャッキスタンドについて他にも知っておきたい方は、別記事でまとめている内容も一緒に参考にしてみてください。
オイル(油圧)パンタグラフジャッキが上がらない原因は3つ
パンタグラフジャッキを使っている
のに途中から上がらなくなった。
こんな場合には以下3つの原因が考えられます。
・オイルが不足している
・エア噛みをおこしている
リリースバルフの締め付けがあまい
1つ目はリリースバルフの締め
付けがあまいこと。
リリースバルブというのは赤丸の箇所。
本来は
・反時計回りに回すと緩める仕組み
油圧式パンタグラフジャッキというのはタンク内にオイルが入っていて、リリースバルブを締め付ける事でレバーをあげた際に圧力がかかり上昇する。
逆にリリースバルブを緩めると圧力が抜けるのでジャッキが下がる方向にいきます。
つまり、リリースバルブの締め付けが不十分のままではどんなにあげても反応しないという訳です。
初歩的なトラブルとしてよく
あるパターンですね。
オイルが不足している
2つ目はオイルが不足している事。
油圧式パンタグラフジャッキはオイルの圧力により
少ない力で簡単に車体をあげられるようにしていますが…
オイルが不足すると圧力が均等に伝わらなく
なるのでジャッキが上がらない原因を作ります。
本来であれば勝手に減ることはありませんが、
オイル漏れなどにより不足する場合があります。
エア噛みを起こしている
3つ目はエア噛みを起こすこと。
エア噛みはオイルの交換もしくは補充をした時に、中に空気(気泡)が入り込んで上手く圧力が伝わらなくなる症状。
エア噛みを起こすとたとえオイルがあっても、バルブの締めつけ不足のように上手く圧力が伝わらなくなり反応しなくなります。
リリースバルブの締め付けやオイル不足でもないという場合に当てはまるのがこの症状ですね。
上がらない場合には役立つ対処方法
ここからは先程紹介した原因の
対処方法について。
もし自分で解決したい場合には以下の
方法を試してみましょう。
リリースバルブの締めつけ具合を確認しよう
リリースバルブが原因の場合は、締めつけ
不足を解消することで対処ができます。
リリースバルブはバー(レバー)を差し込む箇所。
この部分の締め付けが緩いことが考えられるので、もし原因がリリースバルブなら限界まで締め付けた状態で動作確認をしてみましょう。
締め付けた状態でレバーを上下する事で
パンタグラフジャッキが上昇します。
もしそれでも解決しない場合は他の
原因を試してみましょう。
オイルを補充しよう
2つ目はオイルの補充。
オイルを補充する事で
対処ができます。
※ただしここで注意したいのはオイルならどれでもいい訳では無いこと。
油圧式ジャッキ専用のジャッキでないと
意味が無いので注意しましょう。
どうして専用のオイルじゃないとダメなの?
オイルの粘度が異なるからだね。
オイル粘度というのは液体の粘度の度合いを表すもので、
・ドロドロしたものは粘度が高い
事を言います。
このオイル粘度が重要で、車用や工具用
など用途に応じて固さが異なります。
そのため、間違ったものを入れる事で作動不良を起こしてジャッキが反応しない原因となる訳です。
入れる場合は必ずジャッキ専用の
ものを選びましょう。
たとえばメルテックのジャッキオイルF-62なら、油圧ジャッキ全般に使えるので補充や交換用としておすすめです。
ちなみは補充や交換の流れは
・リリースバルブを緩める
・オイルプラグの穴を下に向けて古油を排出
・市販のオイルをプラグ穴から少量ずつ注入
・補充後はオイルプラグを絞め元の状態にする
エア噛みを治そう
3つ目の対処としてエア噛み解決しましょう。
エア噛みは原因でも言ったように、中に空気(気泡)が混入する事で圧力が上手く伝わらずにジャッキが作動しない症状。
対処するには中の空気(気泡)を
無くす必要があります。
やり方としては
・締まった状態から反時計周りに1 回転緩める
・ハンドルを10~20 回ほど素早く上下させる
・リリースバルブを時計回りに最後まで締め込み最高位まであげる
・適切に油圧がかかることを確認
※もし上昇していない場合は
1 ~ 4 を何度か繰り返します。
この動作を繰り返すことでエア抜きができます。
このように状況に応じて対処する事で
解決することが出来ます。
トラブルを起こさないために
最後にトラブルを起こさないために
できることについて。
簡単ではありますが参考にしてみてください。
・ある程度使ったらオイルの交換やエア抜きを
リリースバルブの締めつけは最後までやる
まずリリースバルブの締めつけは
最後までやること。
初歩的なミスとしてよく挙げられるのが、リリースバルブを途中までしか締めていないこと。
結果、締め付けが不足すると圧力が上手くかからずにジャッキが上がらないというトラブルが起きます。
そのためまずはリリースバルブの締めつけは必ず最後でやるということを心がけましょう。
ある程度使ったらオイルの交換やエア抜きを
もうひとつはオイルの交換やエア抜きです。
油圧式ジャッキのオイルも他のオイル同様で、使い続けることで劣化して効果を維持できなくなります。
すぐにどうこうという訳ではありませんが…
長く使い続けた場合には一度古いオイルを抜いて新しく入れ替えるのもおすすめです。
またその際にエア抜きも忘れずに。
エア抜きをしないと、中の空気(気泡)が溜まって圧力が上手く伝わらずに作動不良を起こす元となります。
作動不良=ジャッキが上がりきらないもしくは上がらない。
そのため、締め付けが不足同様にオイル補充やエア抜きにも気をつける事で対策となります。
一見すると面倒と思うかもしれませんが、トラブルを起こさないためには大切なことなの必ず守りましょう。
原因や正しい対処を理解して作業に役立てよう
以上、オイル(油圧)パンタグラフジャッキが上がらない原因と3つの対処法をお伝えしました。
記事でもわかる通り3つの原因には
・オイルが不足している
・エア噛みをおこしている
名前の通り締めつけきれていないことやオイルが足らない。エア抜きが不十分などが考えられます。
もしなった場合には
・オイル補充をする
・エア抜きをする
いずれかで対処ができます。
初めての方には何が原因なのか分からないと
不安になる方も少なくないでしょう。
ですが、作業に応じて対処することで解決ができるのでまずは原因を見つけることから始めてみましょう。