季節や走行中に起きやすいトラブルにオーバーヒート・オーバークールというものがあります。
どちらも温度に関係するもので、詳しい人なら『○○のトラブルか』とすぐに答えは出ますが、知識に疎ければ実際何が違ってくるの?と疑問に思いますよね。
実際に私自身も昔はそうで、詳しくない頃は正直オーバーヒート・オーバークールという言葉すら知らない状態でした。そこから色々知識をつけて今に至るわけです。
この2つの症状は意外と重要で、知らずに放置するとエンジンに悪影響を与えるリスクもあるので回避する為にも覚えておいて損はありません。

この記事では、そんなオーバーヒート・オーバークールについてエンジンに与える影響も含めて詳しくまとめてみました。
✅2つが元で起きる症状
✅トラブルが元でエンジンに与える影響
そもそもオーバーヒート・オーバークールとは
まずはオーバーヒート・オーバークールについて
・オーバークールは温度が低すぎる事
・2つの違いは温度の高低
オーバーヒートは温度が高すぎる
オーバーヒートとは、エンジン内部の温度が適正温度より低くなる事。冷却水の温度が異常に高くなることによって異常と判断。
通常であれば適正温度は80~90℃程度でありますが、オーバーヒートになると100℃以上になり水温が下がらなくなります。
※詳しい原因については【オーバーヒートになりやすい原因と”実践で使える3つの対処方法 ”】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

オーバークールは温度が低すぎる
オーバークールとはエンジン内部の温度が適正温度より低くなる事。冷却水の温度が異常に低くなることによって異常と判断してなります。
これだけ見ると『水温が低いならエンジンにとっては熱くならないからいいんじゃないの?』と思う方もいるかもしれませんが実際はそういう訳でもありません。
確かに低い分にはエンジンにとって悪くはありませんが、限度があるので低くなりすぎる事。つまり低いままでは逆に危険な状態になってしまいます。
※詳しい原因については【【知らないと危険】オーバークールになる3つの原因と取るべき対処方法 】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
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2つの違いは温度の高低
このようにそれぞれオーバーヒート・オーバー
クールがありますが、2つの違いは温度の差になります。
・オーバークールは温度が低すぎる

正常では考えられない異常な温度に達する事で、上記のオーバーヒート・オーバークールいずれかになります。
オーバーヒート・オーバークールになるとどんな症状が起きる?
・水温の低下や回転数の不安定
水温異常上昇や異音・白煙・臭い
オーバーヒートには水温上昇・異音・エンジンルームからの白煙・クーラント臭など当てはまります。
水温の異常上昇 | 想定以上の温度に水温が上昇する症状。 |
異音の発生 | エンジン内部からの異音。 |
エンジンルームの白煙 | 水温が異常値(100℃)以上になることで沸騰して白煙が発生する。 |
アイドリングが不安定 | 加速が鈍くなり思うように加速しない。 |
水温の低下や回転数の不安定・加速の低下
逆にオーバークールには、水温の低下や
回転数の不安定・加速の低下が当てはまります。
水温の低下 | 純正の水温計はシンプルな作りで、C(cool)とH(hot)の表記があります。cはクール。つまり低いことを意味・Hはホット。水温が高いことを意味。 そのため、CとHの真ん中付近に針があれば冷却水が適正な温度であることを表しています。逆にオーバークールになると下付近に数値がいくため異常と判断される。 |
回転数の不安定 | 回転数が不安定になることもオーバークールの症状の一つ。回転数が不安定=エンジンが温まる前の状態に似ています。回転数が低い程度なら問題ないんじゃないの?と思う方もいますが、そうなった場合は常にアクセルを踏み込んでいないといけなくなります。 |
アクセルを踏んでも加速しない | 普段なら踏んだ分に合わせて加速するのが普通です。しかし、オーバークールになるとアクセルを踏んでも思うように加速しなくなります。 本来、車はECU(車のコンピューター)や各種センサーで、車両が今どんな状態にあるかチェックして、ベストな状態でエンジンを動かすしくみになっています。 それに加えて、 ・混合気 ・圧縮 ・点火 3つの要素が適切に機能することで、アクセルを踏んだ時に加速するようになっています。ですが、オーバークールが起こるとアクセル側に上手く伝達されなくなるので、アクセルを踏んでも不具合で加速しなくなるという訳です。 |
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トラブルが元でエンジンに与える影響
・オーバークールは失速やエンジンの停止
オーバーヒートはエンジンの焼き付き
オーバーヒートが元で起こるのはエンジンの焼き付き。焼き付きはエンジン内部の金属が高温になりすぎる事で、部品同士がくっつく状態。
初期症状ではエンジン機能の低下となりますが、症状の悪化と共にエンジンが故障する危険があります。
オーバークールは失速やエンジンの停止
オーバークールの場合は失速やエンジンの停止が考えられます。
普段なら踏んだ分に合わせて加速するのが普通。しかし、オーバークールになるとアクセルを踏んでも思うように加速しなくなります。
結果としてスピードが失速気味になりまともに走行が出来なくなります。
また、ノッキングを起こす事でエンジンが停止する危険があります。
エンジンが止まる原因は主に水温低下。水温が下がり続ける⇒エンジンが正常に機能しないので内部の消耗部品が作動しなくなる⇒エンストが起こる。結果エンジンがかからなくなります。
仮にエンジンを切っても、症状を改善しない限り水温は上がらないので、走行を続けても改善はされない。そのため、オーバークールについて理解した上でトラブル回避に繋げることが大切です。

オーバークールは初期症状であれば壊れる前に対処ができるので、症状を理解した上で自分に合った解決をしましょう。
オーバーヒート・オーバークールの違いを理解してこれからに活かそう
以上、オーバーヒート・オーバークールについてお伝えしました。
記事でもわかる通り
オーバークールは温度が低すぎる事
つまり2つの違いは温度の高低差。正常であれば低い温度から徐々に温度が上がり、一定値に達するとエンジンを冷やして適正温度に抑えます。
ですが、オーバーヒートになると高温から温度が下がらない。もしくはオーバークールで水温が上がらないといったトラブルになります。

オーバークール・オーバーヒート=放置するとエンジンを壊すことになるので、トラブルを事前に理解した上で回避できるように心がけましょう。