ラジエーターキャップの役割と交換時期″長く使い続けた場合の危険性″

冷却系
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車にとってのラジエーターキャップは、ラジエーターに取り付けられた蓋のようなもの。一見するとラジエーター内の冷却水が漏れないだけの様に思えますが…

他にもラジエーターキャップならではの役割があるので、事前に知っておくとトラブル回避にも役立ちます。

また、後半では長期間のキャップ放置の危険性や交換時期。交換するキャップについてもまとめているので参考にしてみてください。

この記事でわかる事
✅ラジエーターキャップの役割
✅長期間放置する危険性
✅交換時期
✅交換するキャップ
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ラジエーターキャップの役割は3つ

ラジエーターキャップはラジエーターに
取り付けられた蓋(キャップ)を指します。

役割としては

漏れ防止の蓋(密閉弁)としての役割
沸騰するのを防ぐ加圧弁の役割
冷えた冷却水をラジエーターに戻す負圧弁

3つの役割があります。

漏れ防止の蓋(密閉弁)としての役割

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1つ目は漏れ防止の蓋の役割

ラジエーターキャップは先程も言ったように、
ラジエーターに取り付けられたパーツ。

ラジエーター内部には冷却水が入っており、
エンジンとラジエーターを常に行き来。

そのためエンジンをそのままかけてしまうと、
ラジエーター内部の冷却水が吹き出してしまいます。

ラジエーターキャップは、冷却水が吹き出すのを防ぐ目的として取り付けられたパーツ

つまり密閉弁としての役割をしている訳です。

沸騰するのを防ぐ加圧弁の役割

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また、蓋としての役割の他にも沸騰する
のを防ぐ目的もあります。

本来であれば100℃になると沸騰する所を、キャップの効果により120℃程度まで耐えられるようになっています。

密封して圧力をかけることで、水温が100℃を
超えても沸騰して気化するのを防ぎます。

気化を防ぐ→冷却水が液体の状態を保つ。

密封→ 圧力調整弁が働いて水温によって変化
するラジエーター内の圧力を調整。

冷えた冷却水をラジエーターに戻す負圧弁の役割

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もし温度上昇を抑えられなかった場合は、冷却系統の破損を防ぐために1度リザーブタンクに冷却水を戻します。

その後、温度が一定まで下がるとラジエーター
本体の内圧も低下して負圧状態となります。

負圧状態になる=負圧弁が機能してリザーブ
タンクへ逃がした冷却水がラジエーターに戻る。

つまり、本来は加圧弁により沸騰を
防いで中の圧力を調整。

それでも抑えられない場合は、リザーブタンクへ1度冷却水を戻して落ち着くのを待つ。

落ち着いたあと、負圧弁が機能してリザーブタンクの冷却水をラジエーターへ戻すと言った役割をしているわけです。

まとめると

加圧弁=沸騰するのを防ぐ。
負圧弁=温度が下がった冷却水を元に戻す。
密閉弁=冷却水の漏れ防止。

ラジエーターキャップをそのまま使い続ける危険性

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続いてラジエーターキャップを使い続けた場合について。

もし、長い間ラジエーターキャップを使い
続けた場合どうなってしまうのか?

以下で確認してみましょう。

正常に機能しなくなる

まず正常に機能しなくなることは間違いなくなります。

ラジエーターキャップは先程も言ったように、

・密閉弁
・加圧弁
・負圧弁

3つの役割を持っています。

ですが、常に高温と隣り合わせの状態になって
いるため破損や劣化などで機能が低下します。

行き着く先はオーバーヒート

機能低下が起こったあとは温度管理も出来なくなるため、行き着く先はオーバーヒートです。

オーバーヒート=水温が異常上昇を
した時に起こる症状。

kome

※詳しい原因や対処方法については【オーバーヒートになりやすい原因と”実践で使える3つの対処方法 ”】を参考に。

オーバーヒート後も対処できない場合は
エンジンブロー(エンジンが壊れる)を起こします。

そのため、ラジエーターキャップは消耗品であることを忘れないようにしましょう。


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危険を防ぐにはどのくらいの時期で交換すればいい?

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ここからは危険を防ぐ為の交換時期。トラブルを少しでも回避したい方は以下の内容を参考にしてみてください。

2年に一度を目安に
ただしラジエーターキャップだけの交換では意味がない

2年に一度を目安に

まず目安としては2年に1度のタイミングで交換。ラジエーターキャップといえど消耗品なので、そのまま使い続ける事で性能が劣化して使い物にならなくなります。

そのためタイミングによって交換をする必要があります。

ただしラジエーターキャップだけの交換では意味がない

どうしてキャップだけじゃダメなの?

劣化した冷却水がラジエーターキャップに付着することになるからだね。

というのも本来の冷却水であれは防腐・防錆といった効果が得られるため問題ないですが、冷却水も経年劣化の効果は半減するため使い続けると防腐・防錆の効果はなくなります。

結果、腐りやすくなったり錆びやすくなる訳です。

仮にこの状態でラジエーターキャップだけ交換した場合
錆によりラジエーターキャップ裏側のスプリングの機能が低下→動きが鈍くなって加圧出来ずにオーバーヒートを起こしやすくなる。

意外とただの蓋と思っている方がいますが、ラジエーターキャップは重要な役割をしているわけです。

交換するラジエーターキャップについて

何でもいい訳じゃないの?

種類がいくつかあるから正しいものに交換する必要があるんだよね。

純正ラジエーターならノーマルのラジエーターキャップがおすすめ

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まず、ラジエーターが純正の場合。チューニングなどで弄っていない場合は、純正と同じ圧力のラジエーターキャップを使いましょう。

純正が0.9なら0.9 kgf/cm2を。1.1なら1.1 kgf/cm2

この数値は開弁圧力を表していて、
〇〇℃で沸騰するように沸点を調整しています。

そのため数値が上がればより
冷却水の沸点も上がるというわけです。

社外のラジエーターなら数値の高いラジエーターキャップがおすすめ

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逆に社外のラジエーターの場合なら数値の高いラジエーターキャップがおすすめ。社外のラジエーターになれば基本の冷却性能もアップするので、圧力の高いキャップでも耐えることができます。

社外品なら1.3 kgf/cm2や1.5 kgf/cm2など。

ただし圧力が高ければいいというものではありません。確かにその分で沸点も上がりますが、その分で温度上昇を起こした時にホース類が耐えられなくなる危険が出てきます。

特に純正のラジエーターホースを使っている場合は、圧力に耐えられるずに裂ける→冷却水が漏れる。こういったデメリットも生じます。

なので、もし変えるなら圧力が高すぎないもの。なおかつホース類は強化品を使うようにするといいでしょう。

危険を防ぐために出来る事

最後は危険を防ぐために出来る事。ある日突然壊れて機能しない。こんな危険を防ぐためにも以下の方法がおすすめです。

・時々点検して状態を確認する
・交換時期を目安に交換をする

時々点検して状態を確認する

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まずは時々点検して状態を確認する
というのがおすすめ。

交換をしないという選択肢はないので、1か月に一度程度の頻度でいいので正常に作動しているのかを確認してみましょう。

ラジエーターキャップの点検(蓋の開け方)がわからない方は、【ラジエーターキャップの簡単な交換方法と緊急時にキャップを開ける方法】でまとめている記事を参考にしてみてください。

ラジエーターキャップの簡単な交換方法と緊急時にキャップを開ける方法
この記事では、ラジエーターキャップの交換方法と緊急時の開け方をまとめています。やり方を覚えれば1分程でできるようになるので参考にしてみてください。

交換時期を目安に交換をする

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もう一つは交換時期を目安に交換をすること。

2年に一回を目安に交換。5年以上変えていない場合は必ず交換する

どの消耗品にも言えますが、パーツにはある程度交換時期が決められているので時期が近くなった時に早めの交換をするのがおすすめです。

ラジエーターキャップの役割を理解して正しく使いましょう

以上、車のラジエーターキャップの役割と長く使い続けた場合の危険性を解説しました。

今回の記事のおさらいです。

ラジエーターキャップとは?
ラジエーターについている蓋のこと。
どんな役割があるの?
漏れ防止の蓋(密閉弁)としての役割
沸騰するのを防ぐ加圧弁の役割
冷えた冷却水をラジエーターに戻す負圧弁の役割
ラジエーターキャップを使い続けるとどうなるの?
正常に機能しなくなる
行き着く先はオーバーヒート

ラジエーターキャップは一見するとただの蓋の
ようにも見えますが、漏れや沸騰を防ぐ重要なパーツ。

特に、高負荷がかかりやすい状況下では
オーバーヒートの防止にもなります。

ですが、その反面で熱に晒されやすく、破損や中のスプリングの働きが鈍くなって壊れやすいといったデメリットも生じます。

なので、ラジエーターキャップは消耗品であることを忘れないように適度な時期で交換しましょう。

よくある質問Q&A

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Q.ラジエーターキャップの交換はお店でも依頼できますか?

A.はい。カー用品店やその他お店などで依頼できます。詳しくは【ラジエーターキャップの交換をお店に依頼すると費用はどのくらいかかる?】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

Q.ラジエーターキャップの交換は自分でもできますか?

A.はい。手順が分かれば自分でも可能です。詳しくは【ラジエーターキャップの簡単な交換方法と緊急時にキャップを開ける方法】でまとめているので一緒に参考にしてください。

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