ターボ車で稀に聞く0.5病という言葉。名前の通り、過給圧(ブースト圧)が最大で0.5 kg/cm²以上上がらないことを意味する症状です。
本来であれば車種にもよりますが、踏み込めば最大で0.8や0.9程度まで計測する事ができますが…
厄介なことにどんなに踏んでも0.5から
変わらないのがこの症状の面倒な所。
もしこの症状ができたら一体どんな原因が関係してくるのでしょうか?

この記事では、そんな原因を元に解決までの方法をまとめてみました。
✅原因
✅解決策
0.5病の理由は危険を回避する為
まず結論として、0.5病になる理由は危険を
回避するためと考えられます。
というのも本来ブースト圧はヒューエルセーフにより調整されていて、システムや装置が故障や異常を起こした際に人命に関わる重大な事故につながらないように自動的に安全な状態に移行する設計がされています。

たとえば純正の最大ブースト圧が0.8設定。
この設定ではブースト圧が0.8より上に行かないようにしてあります。
ですが何かの拍子でブースト圧が設定値以上に暴走すると、コンピューター上では異常と判断されて安全な領域で制限をかける事になります。
これがいわゆる0.5病という症状。当然この状態では原因を解決するまでは制限がかかるので、0.5病から抜け出すことはできなくなります。

なら何が原因なの?

それが絶対にこれ!とは言いきれないんだよね。すぐに原因解決ができないことから別名で不治の病とも言われることもしばしば。
0.5病に関係する原因と解決策
ただ諦めるしかないのか?と言われればそうではなく、関係する原因が幾つかあるので確認していきましょう。
ブースト圧センサーの故障
1つ目はブースト圧センサーの故障。
ブースト圧センサーは、本来タービンからエンジンに供給されるブースト圧を電気信号に変換してブースト計側で計測する役割をしている。
ですが、ブースト圧センサーが一度故障するとブースト計に送られるまでの機能が上手く作動しないので正確に計測できなくなります。
その結果として0.5以上上がらない原因を作る。
この場合は、ブースト圧センサーを新しく交換することで対処ができます。
ソレノイドバルブの故障
2つ目はソレノイドバルブの故障。

ソレノイドバルブって何?

ブースト圧を制御しているパーツだね。
簡単に言えばターボチャージャーで発生する過給圧をコントロールする役割。要はブースト圧の制御を行っている訳ですが、故障することでうまく制御ができないので正確に計測ができなくなる訳です。
もしソレノイドバルブが原因ならバルブ自体を新しいものに交換することで対処ができます。
インタークーラーや配管の詰まりや抜け
3つ目はインタークーラーや
配管の詰まりや抜け。
インタークーラーや配管も過給圧に関係するもので、詰まりや抜けが発生すると正常に計測ができずに0.5までしか上がらなくなります。
もし詰まりや抜けを発見した場合は、つまりの解消。もしくは抜けた箇所を直すことで対処ができます。
タービン本体の故障
4つ目はタービン本体の故障(壊れかけ含む)。
タービンは排気ガスのエネルギーを利用して空気を圧縮して、エンジンに送り込むことで出力を向上させる装置のこと。いわゆる過給機。
本来であれば、このタービンによって力強いパワーを発揮する補助をしていますが、タービンに異常が起こると上手くパワーが出せずに圧力の低下を生みます。
完全に故障すればブースト自体がかからなくなる場合も。
もしタービンが原因なら正常なものに交換することで対処ができます。

このようにいくつか原因があるのでからならずこれだ!とは言いきれませんが、症状に合わせて特定箇所を直すことで0.5病の解決へと繋がります。
0.5病を防ぐためにできること
最後は0.5病を防ぐためにできること。
もしこれから先症状を防ぎたい方は参考にしてみてください。
バルブやセンサー類は早めの交換を心がける
タービンを交換時期で変える
時々でいいので点検をする
まず時々でいいので点検をすること。
点検をすることで怪しい箇所をみつけやすく
なり早期発見につながります。
特に配管の抜けなどは経年劣化や振動で起こりやすいので定期的に確認するとおすすめです。
バルブやセンサー類は早めの交換を心がける
・ソレノイドバルブ
共に明確な交換時期はないので壊れるまで使うことになりますが、症状が起きる前に対処したい方は5〜10万キロの間で交換を目安にすると防ぐことができます。
タービンを交換時期で変える
3つ目はタービンを交換時期で変えること。
一般的には10万キロ前後で交換が目安となりますが、運転手の乗り方次第で大きく変わります。
そのため、普段から荒い運転やサーキット走行などが多い場合には10万キロいかないうちに早めの交換。
普段あまり乗らない人は10万キロを目安に
交換を心がけるとおすすめです。
当てはまる原因を元に早期解決を
以上、0.5病になる原因と解決策を
お伝えしました。
記事でもわかる通り、ヒューエルセーフが働くことで一時的に0.5病になる事が考えられます。
ただこれはあくまでひとつの原因に限りません。
他にも
ブースト圧センサーの故障 | ブースト圧センサーは、本来タービンからエンジンに供給されるブースト圧を電気信号に変換してブースト計側で計測する役割。ですが、ブースト圧センサーが故障するとブースト計に送られるまでの機能が上手く作動しないので正確に計測できなくなります。 |
ソレノイドバルブの故障 | ターボチャージャーで発生する過給圧をコントロールする役割。要はブースト圧の制御を行っている訳ですが、故障することでうまく制御ができないので正確に計測ができなくなります。 |
インタークーラーや配管の詰まりや抜け | インタークーラーや配管も過給圧に関係するもので、詰まりや抜けが発生すると正常に計測ができずに0.5までしか上がらなくなります。 |
タービン本体の故障(壊れかけ含む) | タービンは排気ガスのエネルギーを利用して空気を圧縮して、エンジンに送り込むことで出力を向上させる装置のこと。本来であれば、このタービンによって力強いパワーを発揮する補助をしていますが、タービンに異常が起こると上手くパワーが出せずに圧力の低下を生みます。 |
といった原因もあるので、車に合わせて原因を解明して早期解決を目指しましょう。
ちなみに自分の車が現在どのくらい過給圧がかかるのか分からない方は、まずはブースト計を車に取りつけることから始めるのが最適。
※なお、ブースト計については【Defiやオートゲージなど選べる”ターボ車におすすめのブースト計5選 ” 】でおすすめをまとめているので選ぶ際の参考にしてみてください。
よくある質問Q&A
Q.0.5病でも乗ることは出来ますか?
A.はい。ブースト圧が0.5以上上がらないだけなので、乗る分には問題ありません。
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Q. ECU(エンジンコントロールユニット)の学習内容の初期化で直りますか?
A.直る場合もありますが、絶対とはいいきれません。
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Q. ブーストコントローラーの取り付けで直りますか?
A.直る場合もありますが、絶対とはいいきれません。※もし試してみたい方向けに、【ブーストコントローラーのおすすめ4選”手軽に使える物から性能を求めたものまで”】でおすすめのブーストコントローラーをまとめているので一緒に参考にしてみてください。