車にとって欠かせない部品の一つである
セル(スターター)モーター。
主にエンジン内部に取り付けられていて、
エンジン始動をするきっかけを作る役目をしています。
ただそんなセルモーター(スターター)も消耗品なので、ふとした時に動かなくなるトラブルが起こります。
もしそんなトラブルが起きた場合はいったい何が原因なのでしょうか?

この記事では、関連する4つの原因を元にその時の対処方法や防ぐ対策をまとめてみました。
✅自分で対処できるようになりたい
セル(スターター)モーターが動かないとエンジン始動ができない
セルモーターは車にとってのモーター。
つまりバッテリーからの電力をモーターに送ることで、エンジンに回転を与えてエンジン始動をさせるきっかけを作っています。
というのも、本来エンジンを始動させるには
クランクシャフトという部品を回す必要があります。
回すには当然力がいるため、セルモーターの回転力を利用して回り始める為の最初のきっかけを作るわけです。
そのため、セル(スターター)モーターが動かないとエンジン始動ができなくなります。
セルモーターが動かない原因と対処方法
もしセルモーターが動かない。こんな場合には以下の原因が考えられます。
バッテリー上がり
1つ目はバッテリー上がり。
バッテリーが上がることで、セルモーターに
電気が送られずに作動できなくなります。
というのも、本来バッテリーは電気を電装品に供給するパーツ。電気を供給することで電装品を作動させる補助をしています。
そのうちの一つにセルモーターがある。
セルモーターはキーを回した時に、この電力を利用してエンジンを始動させるための初期の動力として機能します。
つまり、バッテリー自体が弱るとセルモーターに十分な電気が送られないのでエンジン始動までいかない訳です。
もしバッテリー上がりが原因なら
・バッテリーを交換
いずれかが対処として最適。

ただし、弱っている場合は充電しても一時しのぎなので早めの交換がおすすめです。
※交換方法については【自宅で簡単【10分】で出来る”失敗しないバッテリー交換のやり方”】でまとめているので参考にしてみてください。

イグニッションスイッチの故障
2つ目はイグニッションスイッチの故障。
イグニッションスイッチはエンジン始動や電装品の制御を行うためのスイッチ。
本来であれば
・スタートボタンを押す
いずれかの工程でエンジン始動ができますが、スイッチが壊れる事で反応しなくなります。
その結果として、セルモーターも
機能しなくなる訳です。

もしイグニッションスイッチが原因ならスイッチを交換することで対処ができます。
スイッチやモーター配線の断線
3つ目はイグニッションスイッチやセルモーター周辺配線の断線。
関連する周辺の配線が断線する事で、
エンジン始動までの工程ができなくなります。

もし配線の断線が原因なら問題箇所を修理することで対処ができます。
やり方としては
セルモーターの故障
4つ目はセルモーターの故障。
モーター内部にあるブラシの摩耗や内部のギアが劣化する事で反応しなくなります。

対処としては内部をオーバーホールという方法もありますが、手っ取り早いのはセルモーターごと交換すること。
中には応急処置の方法もありますが、根本的な解決にはならないので交換をしましょう。
※応急処置の方法についても知りたい方は、【車のセル(スターター)モーターが動かない(回らない)″緊急時に役立つ応急処置2つの方法を解説″】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

4つの中から原因を特定するには

色々原因があるのはわかったけど、そこから原因を特定するにはどうすればいいのかな?

そんな時は音を確認してみるのがおすすめだね。
音で確認:「カチカチ」「カチッ」⇒バッテリー
「カチカチ」「カチッ」という音が聞こえる場合は、バッテリーが原因の場合が多いです。
バッテリー上がりを起こすことで
上手くセルモーターに電気が伝わらない状態。
また中には「ジジジ」という音もありますが、
これは電圧低下により供給ができないことを意味します。
音で確認:「ガリガリ」「ギギギ」⇒セルモーター
「ガリガリ」「ギギギ」という音は、セルモーター内部にあるギアが摩耗して噛み合っていないことが考えられます。
ギアが摩耗すると、症状の悪化と共にエンジンの
掛かりが悪くなったり。かからなくなる原因になります。
キーを回してセルが回らない・電装品が作動しない場合はイグニッションスイッチ
キーを回した時にセルモーターが回らない。電装品が作動しない場合は、イグニッションスイッチの故障が考えられます。
この時、キーを回した状態でテスターをセルモーターに当てる。電気が流れていない場合は、イグニッションスイッチの可能性となります。
電気の流れで周辺配線の断線が確認しやすい
音以外では電気の流れを見るのもおすすめです。
必ずしも故障が原因ではなく、周辺配線の断線が原因でエンジン始動できない場合もあります。
そんな時はテスターなどでバッテリー・イグニッションスイッチ・セルモーターまでの途中配線の電気の流れを確認してみましょう。
もしパーツ自体に異常がないのに途中で遮断されるようなら、断線かも?と特定ができます。
このように簡単ではありますが、いくつか方法もあるので参考にしてみてください。
セルモーターが壊れるのを防ぐ対策
最後はセルモーターが壊れるのを
防ぐ対策について。
・セルモーターの点検や時期で交換
バッテリーの点検や充電・時期で交換
1つ目はバッテリーの点検や充電・時期で交換。
バッテリー不足や上がりはセルモーターが作動しなくなる原因を作ります。
テスターを使って点検をした時に、電力不足ならバッテリー充電器。使用年月や著しく減っているようなら充電よりも交換がおすすめです。
バッテリーの点検 | ・テスター ・バッテリー充電器 |
バッテリー交換 (交換時期目安は3〜5年毎) | ・ラチェットハンドル&ソケット (工具セットでそろえると便利) ・メモリーバックアップ ・交換用のバッテリー |
セルモーターの点検や時期で交換
2つ目はセルモーターの点検や時期で交換。
セルモーターを点検した時に状況に
応じて早めの交換がおすすめです。
目安としては10万km毎。もしくは使用頻度が多い方は8万km前後と早めに変えるのが最適。

すぐに壊れるような部品ではありませんが、エンジン始動にも影響するので状況に合わせて対策を心がけましょう。
原因を明確にして早めの対処を心がけよう!
以上、セルモーターが動かない原因と対処方法についてお伝えしました。
この記事のおさらい。
記事でもわかる通り、セルモーターが動かなくなるのにはバッテリー上がりやセルモーターの故障などが考えられます。
中には緊急時の応急処置で動かす方法もありますが、あくまで一時しのぎ。根本的な解決にはならないので、状況に合わせて正しい対処がおすすめです。

なお、自分でどうにもできない方はお店に依頼するのも最適。
目安として、交換費用については【セルモーターの交換をお店に依頼”掛かる費用(工賃)と作業時間を解説”】でまとめているので参考にしてみてください。