緊急時にエンジンの熱を冷やす” ボンネットを開けた冷却のやり方”

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今回ご紹介するのは【エンジンの熱を冷やすボンネットを開けた冷却のやり方】について。

通常エンジンの熱を冷やすと言えば、ラジエーター内にある冷却水がエンジンからラジエーター間を循環する過程で熱を奪う事で冷やす事ができます。

ですが、【オーバーヒート】と呼ばれるトラブルが起きると熱を冷やしきれずに水温が上がり続ける傾向に陥ります。

水温が上がり続ける=エンジンブローにより壊れる危険性も。

そのため、上昇を防ぐためにも水温を下げる対処が必要となります。

今回はそんな対処の一つ、『エンジンの熱を冷やすボンネットを開けた冷却』のやり方について手順をお伝えしていきます。

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今回の冷却方法はあくまで一時的

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まず大前提として今回の冷却
方法はあくまで一時的と考えましょう。

根本的な解決にはならない場合がある

理由は根本的な解決にはならない場合がある為。

熱を持ちすぎるのはいわゆるオーバーヒートという状態で、正常な温度から比べて異常値を指します。(正常値は80~95℃前後。)

そこからラジエーターファンが回って水温が下がるのが一般的。

仮に夏場の炎天下などでは車によって
一時的に水温が上がりすぎる事はありますが…

それ以外はほとんどがトラブルが原因で水温が下がらなくなる場合があります。

完全に解決するには原因を見つける必要がある

もし放置すれば同じことの繰り返しになるので、
完全に解決するのには原因を見つける必要があります。

そんな原因についてはある程度詳しければ自分で
どうにかできますが、不安な方はお店に依頼するのが最適。

もしオーバーヒートになりやすい原因が知りたい方は、【車がオーバーヒートしやすい原因3つと解決策”防ぐ為の対策を解説”】でまとめているので参考にしてみてください。

車がオーバーヒートしやすい原因3つと解決策”防ぐ為の対策を解説”
車がオーバーヒート(水温上昇)しやすい3つの原因と解決策を解説。後半ではトラブルを防ぐ対策もまとめているので一緒に参考にしてみてください。

エンジンの熱を冷やすボンネットを開けた冷却のやり方

ここからはボンネットを開けた冷却までの流れを見ていきましょう。

流れは

ハザードランプをつけて路肩に停車
エンジンを切る
ボンネットを開けて冷却効率を上げる

ハザードランプをつけて路肩に停車

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まずハザードランプをつけて路肩に
停車させる事から始めましょう。

ハザードランプは▲マークのスイッチ。

そのままいきなり路肩に移動させようとすると
追突される危険性があるので必ずハザードを忘れずに。

エンジンを切る

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・キーを回してエンジンOFF
・プッシュスタートスイッチを押してOFF

路肩に停車出来たらキーもしくは
ボタンを押してエンジンを切りましょう。

エンジン停車後はしばらく熱を冷やしましょう。

ボンネットを開けて冷却効率を上げる

冷却効率を上げるためにボンネットを開けましょう。

開け方は簡単で

ボンネットオープナーを引っ張る
ボンネットの半ロックを解除
ボンネットを固定する

ボンネットオープナーを引っ張る

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まず初めはボンネットのレバー。正式名称ボンネットオープナーを引っ張りましょう。

ボンネットオープナーは画像のもので、
エンジンルーム側のボンネットと連動している。

やり方は手前に引っ張るだけ。

ボンネットの半ロックを解除

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ボンネットオープナーが引っ張れたら、
エンジンルームにいきましょう。

エンジンルームにいってボンネットの
半ロックを解除します。

解除方法は、

①ボンネットを上げて隙間を作る
②③引っ掻きレバーを左方向に傾けながらボンネットを上にあげる。

ボンネットを固定する

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ボンネットを開けれたら固定していきましょう。

固定箇所は赤丸の部分、穴に上手く固定棒を通して倒れないようにする。これで手を放してもボンネットを開いた状態を維持できます。

これってどのくらい放置すれば冷却できるの?

30~1時間半くらいだね。

車によっては冷えにくいタイプもあるので、最低でも30分。長くても1時間半くらいを目安に様子見しましょう。

ボンネットを閉める工程

一緒に閉めるやり方もみておきましょう。

ボンネットの固定棒を外す
ボンネットを閉める

ボンネットの固定棒を外す

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次は閉め方の手順です。

閉める場合は先に固定棒を外しましょう。

外し方は逆の手順。

①差し込み穴からずらす⇒②固定棒をボンネットにつける

ボンネットを閉める

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あとはボンネットを閉めるだけです。

閉める場合は、ボンネットの左右を両手で押えながら下側に押しつけるだけです。

カチッ」と音がすれば閉まった証拠です。

もしボンネットを上にあげた時に、半開き状態で動く場合には閉まりきっていないので注意。

ボンネットが半開き状態で走行する事は、走行中に開いてフロントガラスが割れる。もしくは前方が見えずに事故を起こす元となるので注意しましょう。

これで開ける・閉めるの工程は完了となります。

オープナーはあくまでボンネットを半開きで開けるためのパーツですが、経由することによって最終的にボンネットが開けられます。特にボンネットは緊急で開ける場合もあるので、オープナーの使い方や開け方まで覚えておくと今後役立ちます。

冷えた後に確認する事項

ここからは冷えた後に確認する事項です。

確認する内容は以下2つ。

冷却水の残量を確認しよう
エンジンを掛けて水温を確認する

冷却水の残量を確認しよう

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冷却水の残量確認はラジエーターキャップを開けて確認しますが…

1時間半程度だと完全には冷え切らないので、そのまま開けると中の冷却水が噴水のように噴出する危険性があります。

こんな感じに(イメージ)↓

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そのため、安全に開ける場合は濡れタオルでラジエーターキャップを覆いつつゆっくり緩めましょう。

緩めた後は冷却水の量に応じて状態維持や冷却水補充。

実際にラジエーターキャップを開けるまでの流れを確認したい方は、【ラジエーターキャップの簡単な交換方法と緊急時にキャップを開ける方法】で確認してみましょう。

ラジエーターキャップの簡単な交換方法と緊急時にキャップを開ける方法
この記事では、ラジエーターキャップの交換方法と緊急時の開け方をまとめています。やり方を覚えれば1分程でできるようになるので参考にしてみてください。

エンジンを掛けて水温を確認する

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もう一つはエンジンを掛けて水温を確認する事。

10~15分程暖気をして水温の状態を確認します。

この時

・水温に変化がなければ正常
・水温上昇が止まらない場合は異常

水温が一定温度まで上がる⇒冷却により水温が
下がることができれば問題はありませんが…

水温上昇が止まらない場合。冷却効果により温度が下がらない場合はすぐにエンジンを停止させましょう。

水温が上がり続ける場合は、オーバーヒートにより何かしらトラブルが起きていることを意味します。

水温上昇が収まらない場合はどうすればいい?

ここからは水温上昇が収まらない
場合に出来る事について。

水温上昇が収まらない場合は牽引で場所移動してもらう

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もしトラブルが元で水温上昇が収まらない場合は、レッカーで場所移動してもらうのがオススメです。

レッカーには

・車の保険のロードサービス
・JAFロードサービス

いずれかが活用できます。

保険のロードサービス車の保険のロードサービスは保険料をきちんと支払っていれば使えるサービス。50〜150kmほどまでなら無料で牽引。※ただし年間で使える制限が決められている。
JAFロードサービス会員で利用する事で20kmまで無料。もちろん会員でなくても利用できますが…非会員の場合は¥30000近く費用がかかる(1km毎に¥880加算)

どちらかを選ぶかで変わりますが、その時の状況に合わせて使い分けるのがいいでしょう。

さらに詳しく知りたい方は、別記事で保険・JAFロードサービスのメリット・デメリットもまとめているので合わせて参考にしてみてください。

自動車保険またはJAFロードサービス″2つの違いを元にメリット・デメリットで比較”
自動車保険・JAFロードサービスの違いを詳しく解説します。この記事で解説している内容を理解できれば、問題解決につながるだけでなく今後の契約の有無についても決めるきっかけを作る事ができます。

移動先は車屋もしくは自宅を選択

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その際の移動先については車屋もしくは自宅。

お店に任せたい場合は、お世話になって
いる車屋さんに運んでもらうのがいいでしょう。

逆に自分で問題箇所を治すという方は自宅に
運んでもらうのもひとつの手段です。

ボンネットを開けた冷却のやり方を理解してこれからに活かそう

以上、緊急時にエンジンの熱を冷やす” ボンネットを開けた冷却のやり方”をお伝えしました。

この記事のおさらい。

記事でもわかるように、今回のやり方はオーバーヒートなどにより水温上昇が抑えられなくなった場合に一時的な対処に役立つ方法です。

通常エンジンの熱を冷やすと言えば、ラジエーター内にある冷却水がエンジンからラジエーター間を循環する過程で熱を奪う事で冷やす事ができます。

ですが、【オーバーヒート】と呼ばれるトラブルが起きると熱を冷やしきれずに水温が上がり続ける傾向に陥ります。

水温が上がり続ける=エンジンブローにより壊れる危険性も。

そのため、一時的ではあっても上昇を防ぐ
ために今回の水温を下げる対処がおすすめです。

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