今回ご紹介するのは、【正しいヒューズの種類や切れるまでの仕組み】について。
ヒューズというのは電装品を取り扱う上で重要となるパーツの一つ。
主にエンジンルームや車内のヒューズボックス内にあることが多く、見かける事はあってもあまり触れる機会がない方もいる事でしょう。
ですが、ヒューズは車にとって必要不可欠となるので覚えておいて損はありません。
この記事で解説している事を実践できれば、読んだその日からでもヒューズの知識が身につき、何故切れるのかを理解する事ができます。
車のヒューズについて
まず初めに車のヒューズについてご紹介します。
車にとってのヒューズは、定格以上の電流(過電流)から電気回路を保護して加熱や発火といった電気火災事故を防止する役割を持ったパーツです。
簡単に言えば、『容量以上の電流が流れた時にヒューズが代わりに切れて回路を守りますよ』という事。
切れる仕組みとしては以下の通り。
②ヒューズ回路に電気が流れる
③回路内の合金(可溶体)が溶ける
④合金が溶けて電気を遮断する
ヒューズ内の金属が溶ける=危険から守る
その仕組みにより
✔配線が燃えるのを防ぐ
2つの役割が得られるわけです。
1つ目の役割として電装品が壊れるのを防ぐ事が挙げられます。
というのも、上記でも説明した通りヒューズには電流を遮断して代わりに回路を保護する。というものがあります。
これは過電流。つまりは、規定値以上の電流が配線内に流れた際に、過電流から電装品を守り代わりにヒューズが切れるというものです。
②回路が遮断されると電装品に電気が流れなくなる
結果としてヒューズが代わりに切れる事で、
電装品が守られる事となります。
電装品が守られる=トラブル回避となります。
2つ目の役割として、配線が燃えるのを
防ぐことができます。
本来なら過電流により、規定値以上の
電流が流れた際に熱をもちすぎて発火となりますが…
ヒューズが代わりに切れる事で、配線が熱をもちすぎて発火するのを防いでくれます。
たとえるなら、家のブレーカーでイメージするとわかりやすいのではないでしょうか?
家のブレーカーと言えば、電気を使いすぎると切れるイメージあるよね?
うん。家電使ってて、急に切れてびっくりするときある…
実はブレーカーもヒューズと同じく、容量を超えると代わりに切れるって仕組みがあるんだよね。
意味は同じで、容量を超えると熱量が上がり、
発火もしくは爆発するのを防ぐ役割があります。
許容量を超えるとブレーカーが落ちる=家電・発火を防ぐ。
原理はこれと同じで、車も許容量を超えると
ヒューズが代わりに飛び車を守る訳です。
ただし、一度切れると保護の役割はなくなるので切れた原因を明確にしたうえでヒューズの交換をしましょう。
車で使われるヒューズの種類
続いてヒューズの種類について説明します。
車で使われるヒューズには、
・ブレードヒューズ
・スローブローヒューズ
3つが存在します。
まず1つ目はガラス管ヒューズです。
ガラス管ヒューズはシガーソケットなどに使われるヒューズで、少量の電気が流れる電装品に使われるヒューズです。
ヒューズの容量は1A~30Aまで。用途によって使い分ける事ができます。
2つ目はブレードヒューズです。
元々は1975年ごろに開発されたヒューズで、
今でもよく使われています。
ブレードヒューズと聞くと一瞬?と
なると思いますが…
要は
・ミニ平型ヒューズ
・低背ヒューズ
3つの事を総称して呼ばれます。
3つ目はスローブローヒューズです。
スローブローヒューズってあまり聞きなれない言葉だけど、どんなヒューズなの?
簡単に言えば、容量の多い電装品に適したヒューズだね。
画像で言えば赤〇の部分のヒューズです。
車には様々電装品が使われる中でどうしても容量が大きくなり、ブレードヒューズでは耐えられない電装品が出てきます。
たとえば
・ワイパー
・エアコン
など一瞬又は数分でも使用中に多くの
電気を使うものですね。
そんな電装品には過電流時にすぐ溶断する
従来のブレードヒューズでは対応できません。
逆にスローブローヒューズは、高い電流が流れてもゆっくりと温度が上昇してすぐに切れないのが特徴
比較すると
・スローブローヒューズはゆっくり上昇して切れる
となるので、大容量の電装品に多く使われるのはスローブローヒューズと言えます。
ヒューズの取り外し方について
ここからはヒューズの取り付けと外し方について。
といってもそこまで難しくはなく、ペンチなどを使ってヒューズを引っ張るだけです。
ペンチで握りすぎるとヒューズ自体が壊れる
ので適度な力で掴みつつ引き抜きましょう。
ヒューズを外すことが出来たら、用意したヒューズと差替えるだけ。差し替え方は外した手順と逆で差し込むだけです。
やり方や使い方もそこまで難しくないので、
この機会に覚えて起きましょう。
実際のヒューズ交換の流れが知りたい方は、以下記事で詳しくまとめているので参考にしてみてください。
切れた時用に準備した方がいいヒューズ
ここからは準備しておいた方がいいヒューズです。
ヒューズは代わりに切れるのが役目ですが、
切れたからと言って放置は危険です。
切れたまま放置する事はその後の電装品を守れなくなるので備えて準備しておくことが大切です。
準備と言っても、どのヒューズを常備しておけばいいの?
基本的にはよく使うブレードヒューズだね。
身近な電装品に関連するヒューズが多く使われるのがブレードヒューズなので、用意しておいて損はありません。
ブレードヒューズは
・ミニ平型ヒューズ
・低背ヒューズ
のいずれかのヒューズですね。
それぞれのヒューズは上記でも説明した通り、平型ヒューズは古い年式の車に。
ミニ平型ヒューズや低背ヒューズは新しめの車に多く使用されています。
特にカスタム好きな人は電装品を追加する事が多く、ヒューズに負荷がかかる場合が高いです。
負荷がかかる=切れやすい
となるので、準備するのはブレードヒューズがおすすめと言えます。
揃えるとなれば3個入りや5個入りなど。
少数で揃える方も多くありません。
ただ、その分料金も増えるので費用を
抑えたいならセット購入という手もあります。
たとえば平型 ミニ平型 低背 50セット や
いずれかに限定したヒューズのセットなど。
自分に合わせたヒューズを
購入する事ができます。
車に乗る以上何が起こるかわからないので、
これから先に備えて準備しておきましょう!
仕組みを理解してヒューズヒューズ切れを無くそう!
以上、ヒューズの仕組みや種類を紹介しました。
今回の記事をまとめると以下の通りです。
防止する部品
【切れるまでの仕組み】
①配線内で規定値以上の電気が発生
②ヒューズ回路に電気が流れる
③回路内の合金(可溶体)が溶ける
④合金が溶けて電気を遮断する
ブレードヒューズ
スローブローヒューズ
まとめて揃えたい場合はセットで購入もアリ
ガラス管ヒューズ=シガーソケットなどの
少量の電装品に使われるヒューズ。
ブレードヒューズ=平型ヒューズ・ミニ平型ヒューズや低背ヒューズの総称。
車内で使われる多くの
電装品に使われるヒューズ。
スローブローヒューズ=大容量の電装品に使われるヒューズ。
特徴はゆっくり温度が上がってすぐには切れない。
全体的にヒューズは想定値以上の電気が流れた際に、電装品の代わりに切れて保護するパーツです。
車にとっては必要不可欠ともいえるパーツなので、この機会に種類や仕組みを覚えて知識として役立ててみてください!