ラジエーター(ロア・アッパー)ホースの役割や交換時期・交換のやり方を解説

ラジエーター&ホース
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エンジンルームを開けると見えるゴム製のホース。名称はラジエーターホースと呼ばれるもので、エンジンとラジエーター間を繋いでいます。

パッと見はただのホースにしか見えず冷却水を送っているだけのイメージですが…実はエンジンの冷却補助にも役立つ重要なパーツのひとつとして数えられています。

そのため、普段から車に乗る頻度が多い方はどのようなパーツか知っておくと突然のトラブルにも対処しやすくなります。

今回は、そんなラジエーターホースについて役割や冷却水が送られるまでの流れ・交換方法などまとめてみました。

この記事でわかること
✅ラジエーターホースの役割
✅交換時期
✅交換のやり方

今回以外にもラジエーターホースについて知識をつけたい。こんな方は【ラジエーターホースに関する知識”交換時期や交換方法・費用まとめ”】でまとめている内容を参考にしてみてください。

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ラジエーターホースは冷却水(クーラント液)の通り道となるゴムホース

ラジエーターホースは、冷却水(クーラント液)の通り道となるゴムホースを言います。

主に

・ラジエーター→エンジン
・エンジン→ラジエーター

それぞれをホースで繋ぐことで冷却水を
循環させる仕組みです。

名称はアッパーホースとロアホースの2つ

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そんなラジエーターホースにはアッパーホースとロアホース2つがあり、状況に応じて循環経路が分かれます。

アッパーホースアッパーホースは上部に取り付けられたホースで、エンジン側からラジエーター側に冷却水が流れます。上から覗いた時に見えるホースがアッパーホースとなります。
ロアホースロアホースは下部に取り付けられたホースです。下から覗いた時に、ラジエーター側とエンジン側に取り付けられたホースがロアホースとなります。ラジエーター側からエンジン側に冷却水が流れます。

まとめると

・エンジン⇒ラジエーター=アッパーホース
・ラジエーター⇒エンジン=ロアホース

役割は主に冷却水を循環させること

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役割については冷却水を循環させることです。

ホース間を循環させることで熱対策する
(オーバーヒートを防ぐ)ことが出来ますが…

あくまで冷やす効果を持つのはラジエーター側。そのままではエンジンの熱を抑えることは出来ないのでホースを上手く利用します。

ホースを通して上手く循環させることで冷やされた冷却水をエンジンに戻す流れ。

ロアホース・アッパーホースの流れ

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ここからはロアホース・アッパーホースの
流れについてみていきましょう。

ロアホースからエンジン冷却水が送られる

まず、下部のロアホースからエンジンに
冷却水が送られます。

この時に送られる冷却水は冷えた状態です。

アッパーホースからラジエーター側へ送られる

エンジンに送られた冷却水は、エンジンから
熱を奪い高温となります。

高温の冷却水はアッパーホースを通り
ラジエーターへと戻されます。

ラジエーター内部に送られた冷却水は、走行中の風で冷やされる→ウォーターポンプの力で冷却水が循環されて再びエンジンへ。

この繰り返しです。

ウォーターポンプについては、【【基礎から学ぶ】車のウォーターポンプの役割と作動までの仕組み】でまとめているので参考にしてみてください。

ラジエーターホース(アッパー・ロア)自体には冷却する力はありませんが…冷却水を送る通路としての役割があるので、車にとってなくてはならないパーツと言えます。

ただしラジエーターホースはあくまで消耗品

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ただしここで注意しておきたいのが、ラジエーターホースはあくまで消耗品であること。

使い続けるとホースが裂けるリスクが
裂けるのを防ぐためには交換時期をある程度把握する必要がある

使い続けるとホースが裂けるリスクが

使い続けると劣化でホースが裂けるリスクがあります。

理由はゴムホースの性質。ゴムの性質上熱を持つと硬くなる傾向にあります。

ゴムホース内部は当然冷えた冷却水だけでなく熱を持った冷却水も通るので、長い期間使い続けると劣化によりホースが裂ける原因を作ります。

裂けるのを防ぐためには交換時期をある程度把握する必要がある

それを防ぐためにはある程度決まった時期で交換するのが最適。

・5年に一回もしくは
・10万kmに一回

車の使用頻度が少ない場合には5年に1回程度がおすすめ。逆に普段からの使用頻度や負荷をかけた運転をしている方は10万kmに一度の交換が推奨です。

※もし自分で出来ない場合にはお店に依頼するのも一つの手段。目安として【ラジエーターホース交換をオートバックスに依頼”作業に掛かる費用と安く済ませるコツを解説”】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

実際にホース交換のやり方を確認しておこう

ここからは実際にホース交換のやり方を確認してみましょう。

ホース交換の作業に合わせて準備しておくといいパーツについては、【買ってすぐ交換出来る”ラジエーターホース交換に役立つパーツ6選”】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

交換の流れ

ラジエーターキャップを開ける
アッパーホースを固定しているバンドをずらす
ホースを外す
新品のホースと取り換える
新品のホースを装着
ロアーホースを取り外して新品と取り換える
抜けた分の冷却水の補充+エア抜きをして完了

ラジエーターキャップを開ける

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まず初めに、ラジエーターキャップを
開けていきましょう。

キャップは反時計回りに回すだけなので簡単です。

不安な方は、【ラジエーターキャップの簡単な交換方法と緊急時にキャップを開ける方法】を参考にしてみてください。

ラジエーターキャップの簡単な交換方法と緊急時にキャップを開ける方法
この記事では、ラジエーターキャップの交換方法と緊急時の開け方をまとめています。やり方を覚えれば1分程でできるようになるので参考にしてみてください。

アッパーホースを固定しているバンドをずらす

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続いてホースの取り外し。ホースはアッパーホース・ロアーホースとあるので、アッパーホースから抜いていきます。

ちなみにそのままではバンドが邪魔でホースが外れないので、ホースクランププライヤーを使ってホースバンドをずらしていきましょう。

ホースバンドはラジエーター側とエンジン側の
2箇所あるので両方ずらします。

ホースを外す

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バンドがずらせたらあとはホースを抜くだけ。引く側。つまり手前に引っ張る事で簡単に抜けます。

ただしここで注意する点があります。

それは、一気に引っこ抜くと冷却水があふれて来ることです。

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というのも、本来冷却水はラジエーターからエンジンまでをホースを通じて循環する物。エンジンを切っても常に循環し続けているので、ラジエーターホースを抜いた時に冷却水が溢れます。

そのまま抜けるだけならいいですが、もし口に入った場合は危険なのですぐにゆすぎましょう。

どうして危険なの?

冷却水の成分のエチレングリコールが人体に悪影響を与えるからだね。

エチレングリコールは、溶媒・不凍液・合成原料
などとして広く用いられるアルコールの一種です。

エチレングリコールを飲用する事で中毒症状になる事もあります。

・初期症状は薬物中毒 、嘔吐 、 腹痛など 
・その後の症状は、意識レベルの低下 、頭痛 、発作など

症状次第で危険なので取り外す際は注意しましょう。

新品のホースと取り換える

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ホースを取り外せたら新品のホースと取り換えましょう。この時交換するホースは中古でも問題ないですが、劣化しているケースが多いのでなるべく新品を使うのがおすすめ。

ちなみに、純正新品を探す場合は品番で
探すとすぐに見つかります。

たとえば今回使うGDBなら45161FE050となります。

新品のホースを装着

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ホースを取り外すことが出来たら
新品のホースを装着していきましょう。

手順は取り外した時と逆の手順。

①ホースを差し込む
②バンドで固定する

ロアーホースを取り外して新品と取り換える

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アッパーホースが終わったら残りはロアーホース。ロアーホースはボルトで調整するタイプで固定されているので、ボルトを緩める事で簡単にホースを外すことができます

外す事が出来たら逆の手順でホースを付け替えれば大丈夫です。

ここまでがホース交換の一連の流れになります。

抜けた分の冷却水の補充+エア抜きをして完了

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一連の作業が終わったら抜けた分の冷却水の補充をしましょう。

ホース類をしっかり締め付けて
漏れない事を確認した上で補充します。

冷却水ってどのくらい補充すればいいの?

車種によって量が変るから絶対この量とは言えないんだよね。

ただし、目安としては

・軽自動車で5リッター
・普通車で8リッター

とだけ覚えておきましょう。

実際にインプレッサ(GDB)でやった時は8L程だったので、車種や車に合わせて少し多めに用意しておくとなお良しです。

また補充の後はエア抜きをしましょう。

基本的にエンジンやラジエーターを通る経路は、クーラント液で満たされています。この経路に空気。つまり、エアが混入するとクーラント液の循環がうまくいかなくなります

循環がうまくいかない=温度管理が不十分に
なりオーバーヒートの原因になります。

そのため、エアがたまった場合には抜く必要があります。これがエア抜きという作業です。

エア抜き作業については、【【自宅で出来る】冷却水の補充(交換)後にやるエア抜きの方法と手順】で解説しているので参考にしてみてください。

【自宅で出来る】冷却水の補充(交換)後にやるエア抜きの方法と手順
冷却水を交換する場合、補充や抜いた後に入れ替えて終わりという訳ではありません。その際にエア抜きと呼ばれる作業が必要になるため覚えておく必要があります。この記事では、エア抜きの方法と手順を順を追ってまとめています。

ラジエーターホースでトラブルを起こさない為に

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最後はラジエーターホースでトラブルを起こさない為に。

交換時期を目安に交換をする
状況次第で早めに交換する

交換時期を目安に交換をする

5年に一回もしくは10万kmに一回の交換が理想です。

理由としては、すぐに壊れるパーツでない
ことが挙げられます。

というのもラジエーターホースは、

・ラジエーター→エンジン
・エンジン→ラジエーター

それぞれを通る冷却水(クーラント液)の
通り道となるゴムホースです。

あくまでも冷却水が通る道となる訳ですから、
そこまで負荷がかかることもありません。

よって基本的には交換時期が長めに設定されているわけです。

状況次第で早めに交換する

ただし、状況次第では交換時期が早まることがあります。

それは、

・使用頻度が多い場合
・高負荷をかけ続けた場合です。

そもそもラジエーターホースは性質がゴムなので熱に弱く、高負荷をかけ続けたホースは硬化しやすくなります。

硬化しやすくなる→劣化→ホースに亀裂が入る→冷却水が漏れる原因を作る。

特に多いのがサーキットなどの高負荷状態を長時間維持する状況下で使い続ける場合ですね。

街乗り程度で使う分には特に問題ないですが、
このように条件が揃ってしまうと一気に寿命は縮まります。

なので、交換においてはホースの状態や頻度を目安として交換することが最適と言えます。

ラジエーターホースの役割をしり、冷却水が送られるまでの流れを理解しよう

以上、車のラジエーターホースの役割と冷却水が送られるまでの流れを解説しました。

今回の記事のおさらいです。

ラジエーターホース
冷却水の通り道になるホース
ラジエーターホースの種類
アッパーホース・ロアホース2つがある
それぞれのホースの流れ
・アッパーホースはラジエーターに戻るホース
・ロアホースはエンジン側へ冷却水を送るホース
交換時期
5年に一回もしくは10万キロ
ホース交換のやり方
ラジエーターキャップを開ける
アッパーホースを固定しているバンドをずらす
ホースを外す
新品のホースと取り換える
新品のホースを装着
ロアーホースを取り外して新品と取り換える
抜けた分の冷却水の補充+エア抜きをして完了

記事でもわかる通り、ラジエーターホースはエンジンとラジエーターをつなげる中間のホース。エンジン側へ送るホースとラジエーターに戻るホースそれぞれを経由して冷却水が行き来します。

つまり、ここでは冷却水が通過するためのホースという事を覚えておくといいでしょう。

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