バックランプとは?意外と知らない2つの役割や車検に通すための基準5つを解説

バックランプ
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車で言うバックランプは数ある灯火類の一つ。名前の通りバックする際に点灯させるもので、正しい使い方をすることで本来の効果を発揮します。

またバックランプには車検に関する保安基準があるので、事前に知っておくと今後の対策にもなります。

この記事では、そんなバックランプについて本来の役割や車検に通すための基準についてまとめてみました。

この記事でわかること
✅バックランプの役割
車検の基準5選
落ちるケースや失敗しないためのコツ

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バックランプは後退時に役立つ灯火類

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バックランプは後退時に点灯させる灯火。

・バックランプ
・バックランプギア
・後退灯

など呼ばれ方は様々ですが…一般的には
バックランプと呼ばれることが多いですね。

役割としては

・夜間の後方の視界確保
・後退する事を後続車に知らせる

夜間後方の視界確保

1つ目は夜間後方の視界確保です。

昼間であれば徳に問題はありませんが…自宅に帰宅する際や駐車場に止める時など。夜間は暗く確認が困難になる場合があります。

障害物やほかの車が停車していなければいいですが、そうでない場合は視界不良により危険ですよね?

そんな時に役立つのがバックランプ(後退灯)という訳です。夜間でも後方を明るく照らすのでバックする際には重宝します。

後退する事を後続車に知らせる

2つ目は後退する事を後続車に知らせる事です。

1つ目では夜間の後方視界の確保となりましたが、それ以外にも後続車にバックする事を知らせる役目もあります。

特に、前に車がいる場合はいきなりバックされたら焦りますよね?

ですが、点灯していればバックする事がわかるので、その時の状態に応じて対処ができます。結果としては衝突事故を未然に防ぐこともできます。

ただしどんな使い方をしてもいい訳ではない

ただし注意しておきたいのは、バックランプはどんな使い方をしてもいい訳ではないこと。

他の灯火類同様に車検に通すための基準が
あるので間違った使い方では車検に通らなくなります。

そのため基準について事前に把握しておく事が大切です。

車検に通すための項目5選

ここからは車検に通すための項目についてお伝えします。

灯火の色
バックランプの個数
バックランプの明るさ
取り付け位置
視認性

灯火の色

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まず1つ目は灯火の色です。

バックランプの色は、基本的には白色のみです。黄色や赤・オレンジなどの色はまず通らないと思ってください。

実際、保安基準第40条第2項にも以下の
ように記載されています。

第214条 後退灯の灯光の色、明るさ等に関し、保安基準第40条第2項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一 後退灯は、昼間にその後方100mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、そ
の照射光線は、他の交通を妨げないものであること。この場合において、その光源が
15W以上75W以下で照明部の大きさが20cm2以上(平成17年12月31日以前に製作された自
動車に備える後退灯にあってはその光度が5000cd以下(主として後方を照射するため
の後退灯にあっては300cd以下))であり、かつ、その機能が正常であるものは、この
基準に適合するものとする。

二 後退灯の灯光の色は、白色であること。

また、白だからと言って青っぽい白はNGとなります。

最終的には検査官の目視になりますが、
誰が見ても白とわかるものにしましょう。

と言っても、『突然言われてもどうやって選べばいいの?』こう思う人が多いかと思います。

なので答えを先に言うと、色温度を目安に選ぶことです。色温度はケルビン(k)と表記され、ケルビン数によって色の変化を見ることができます。

たとえば2400kのバルブがあったとしましょう。

ケルビン数は高くなるほど青くなり低くなるほど黄色に近くなるので、2400kの場合は黄色を指します。

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逆に6000kなら白9000kならというように変化します。

一般的にバックランプは白限定なので、
この場合は6000k~6500kほどが最適です。

逆に以上になると、見方によっては検査官に落とされる危険性があるので注意しましょう。

ちなみにバックランプの色は違反にもなるので、詳細が知りたい場合は【バックランプ(後退灯)の不適切な色(青等)は違反”ルールを破ると反則金や違反点数(減点)の対象” | 元自動車整備士正樹のブログ】を参考にしてみましょう。

バックランプの個数

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2つ目はバックランプの個数です。

バックランプには個数の制限があるので、何個でもいいという訳ではありません。1個もしくは2個と決まっているので数を間違わないようにしましょう。

たとえば純正で2個なのにバックランプを3個つける。これは個数制限をオーバーしているので、色で基準をクリアしていても車検には通りません。

3 後退灯の取付位置、取付方法等に関し、保安基準第40条第3項の告示で定める基準は、
次に掲げる基準とする。
一 自動車に備える後退灯の数は、次に掲げるものとする。
イ 長さが6mを超える自動車(専ら乗用の用に供する自動車であって乗員定員10人以
上の自動車及び貨物の運送の用に供する自動車に限る。)にあっては、2個、3個又は
4個
ロ それ以外の自動車にあっては、1個又は2個

保安基準第40条第3項にも記載がある通り、1個または2個が車検に通る条件です。なので個数は守って取り付けましょう。

もし個数が元。たとえばバルブ切れなどによって個数が減る場合には違反になるので注意が必要。バルブ切れに関しては、【バックランプ(後退灯)のバルブ切れは違反”ルールを破ると反則金や違反点数(減点)の対象”】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

バックランプの明るさ

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3つ目はバックランプの明るさです。

・純正のバックランプだとどうしても駐車の際に暗く感じる
・見やすくするために爆光のバックランプに変えたい

と考える方は少なくないでしょう。

しかし自分は良くても、周囲や後続車にとって運転中に照らされたら眩しく不快に感じることは少なくありません。

また、それが元で相手が事故を起こしてしまうことも可能性としてはなくはないので、バックランプは注意して選ぶことが必要です。

一 後退灯は、昼間にその後方100mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。この場合において、その光源が15W以上75W以下で照明部の大きさが20cm2以上(平成17年12月31日以前に製作された自動車に備える後退灯にあってはその光度が5000cd以下(主として後方を照射するための後退灯にあっては300cd以下))であり、かつ、その機能が正常であるものは、この基準に適合するものとする。

実際明るさの上限はないものの、他の交通の妨げになってはならないと記載はあります。また、電球の場合はその光源が15W以上75W以下とあるので選ぶ際は注意しましょう。

※爆光過ぎるバルブについては違反になるので、詳しくは【爆光過ぎるバックランプ(後退灯)の点灯は違反”ルールを破ると反則金や違反点数(減点)の対象”】を参考に確認してみてください。

取り付け位置

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4つ目は取り付け位置。基本的に純正のままなら関係のない項目ですが…念のためにこちらも紹介します。

具体的にバックランプの上側の縁が地面から1.2m以下で、下側の縁が地面から25㎝以上の位置に取り付けが条件となっています。

保安基準第40条第3項の三の項目ですね。

三 後退灯は、その照明部の上縁の高さが地上1.2m以下(大型特殊自動車及び小型特殊
自動車に備える後退灯であって、その自動車の構造上地上1.2m以下に取り付けること
ができないものにあっては、取り付けることができる最低の高さ)、下縁の高さが0.25m
以上となるように取り付けられなければならない。

決められた数値内に収まっていなければ車検に
落ちることになるので注意しましょう。

視認性

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5つ目は視認性。爆光過ぎるのもダメですが、逆に視認性が悪く暗くなるものは車検に通りません。

保安基準第40条第2項の告示で定める基準
は、次の各号に掲げる基準とする。
一 後退灯は、昼間にその後方100mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、そ
の照射光線は、他の交通を妨げないものであること。

保安基準第40条第2項に記載がある通り、昼間でも後方100m離れた位置から点灯を確認できなくてはいけません。

光が弱すぎて確認できなかったら『何のためについてるの?』そうなりますよね(笑)なので、視認性も視野に入れて探してみましょう。

基準をまとめると

灯火の色
バックランプの個数
バックランプの明るさ
取り付け位置
視認性

最低限上記の項目をクリアしておくと車検に受かりやすくなります。

別記事では車検を受ける方法について【車の車検を受ける2つの選択肢と少しでも費用を安く抑える方法】でまとめているので参考にしてみてください。

車の車検を受ける2つの選択肢と少しでも費用を安く抑える方法
車検を受ける場合には2つの選択肢があり、自分に合った方法で実践する事で費用を抑える事が出来ます。また、それ以外にも安く済ませる方法もまとめているので参考にしてみてください。

ただしこんな場合は落ちるケースも

落ちるパターンとしては

・レンズのひび割れ
・レンズの汚れ

レンズのひび割れ

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1つ目はレンズのひび割れ。意外と見落としがちですが、レンズのひび割れも車検に関係があります。

小さな日々程度(擦り傷並)ならいいですが、
穴と分かるほど大きいものは基本的NGです。

理由として

・水の侵入で電気系統が漏電すること
・割れから光が漏れて認識しない

2つがあります。

なので面倒ではありますが、
ひび割れには十分注意しましょう。

見つけた場合は接着剤など補習でもいいですが、それでもダメならレンズ自体を交換することもおすすめです。

新品ならディーラー取り寄せ。中古品なら
ヤフーオークションなどで購入可能です。

レンズの汚れ

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2つ目はレンズの汚れです。

割れがない場合でも、著しく汚れが
目立つ場合には落ちるケースがあります。

例えばバルブを点灯させたときに本来よりも暗くなる。点灯させたときの色がはっきりとわからない。こんな場合には指摘される危険があります。

もし色がわからないほど汚れが気になる場合には早めの対処が最適。

一見すると汚れ程度と思うかもしれませんが、汚れ具合でも関係してくるので注意しておきましょう。

車検で失敗しないための4つのポイント

ここからは車検で失敗しないための
4つのポイントをお伝えします。

安さだけでバルブを選ばない
バルブの色は必ず白を選ぶ
バックランプの明るさは控えめに
割れや汚れは早めの対処を

安さだけでバルブを選ばない

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まず1つ目は安さで選ばない事。というのも、値段が安い=お得という訳ではないためです。

何故なら、値段が安いのは訳があって安くなっているわけで…お得だからという理由で購入すると損をしてしまいます。

実際私も何度か購入したことありますが、

・初期の点灯不良
・すぐ切れる
・接触不良で点かない時がある
・白というよりも青い

など、挙げればきりがなくなりますが、
値段相応のリスクがあります。

こんな状態で車検に持っていったら
まず受からないですよね?

なので、安いだけではなく本当に使えるのかを
理解したうえで購入することが大切です。

バルブの色は必ず白を選ぶ

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2つ目はバックランプの色は必ず白を選ぶことです。

車検に合格=車検に適合したバックランプが必要となります。一番大事なことですがやはり見た目の色ですね。

たとえ白であっても検査官次第なので、少しでも青身がかかっていると落とされる場合もあります…

かといってどんなに口頭でいっても受かる訳ではありません。

ではどうすればいいのか?

答えは簡単でケルビン(k)と呼ばれる色温度を目安に選ぶことです。

色温度はランプの色具合を表したもので、下に行くほど黄色くなり上に行くほど青くなります。

たとえば、

・2400k=黄色
・9000k=青色

というように色温度数によって変化します。

なので、白で選ぶ場合は5000k~6500kを目安にするといいでしょう。

検査官にどのくらい白いのかを見せることが大事なので、『これなら間違いなく白だ』と見せるものを選びましょう!

もしケルビン数が記載されていない場合は、車検対応や白色発光など文章にも細かく目を通して選ぶようにしましょう。

バックランプの明るさは控えめに

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3つ目は明るさに注意すること。保安基準では上限は記入されていませんが、他の交通の妨げになってはならないと記載はあります。

なので、夜間でも明るく見やすいように
爆光にすることはおすすめとは言えません。

交通の妨げにならない程度で、
そこそこ明るい物を選ぶことが最適です。

割れや汚れは早めの対処を

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4つ目は割れや汚れは早めの対処をすること。

割れは

・水の侵入で電気系統が漏電すること
・割れから光が漏れて認識しない

2つのことから車検に影響を及ぼす恐れがあります。また、汚れに関しても色をうまく認識できずに落ちるケースが…

そのため失敗しない為には、安さ・色・明るさだけでなく割れや汚れにも注意して車検に臨むようにしましょう。

基準を理解して、車検に通るバックランプを選ぼう

以上、バックランプを車検に通すために必要な5つの条件を紹介しました。

今回の記事のおさらいです。

バックランプの役割
夜間後方の視界確保
後退する事を後続車に知らせる
バックランプを車検に通すために必要な5つの条件について
灯火の色
バックランプの個数
バックランプの明るさ
取り付け位置
視認性
落ちやすいケース
レンズのひび割れ
レンズの汚れ
車検で失敗しないための4つのポイント
安さだけでバルブを選ばない
バルブの色は必ず白を選ぶ
バックランプの明るさは控えめに
割れや汚れは早めの対処を

バックランプは5つの基準をクリアして
いれば車検に通ることがわかります。

ただし、検査官次第ということも視野に入れて白限定となるので灯火の色や基準をしっかりと理解して車検に臨むようにしましょう。

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