今回お伝えするのはトグルスイッチを使った
クラッチスタート解除スイッチの作り方です。
クラッチスタート解除スイッチは名前の通り、クラッチを踏まなくてもエンジンをかけられる仕組みの事。
通常ならクラッチを踏みながらエンジンを
かけるというのがMT車の流れです。
ただその都度クラッチを踏みながらとなると夏の炎天下や真冬の寒さなど。車内に一度座ってからエンジンをかけるという作業が嫌になるという方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、スイッチと組み合わせてクラッチを踏まなくてもエンジンをかけられるやり方をお伝えします。
クラッチスタート解除スイッチとは?
まず、クラッチスタート解除スイッチって何ぞや?という方のために簡単に。
名前の通りですが、クラッチを踏むことなく
エンジンスタートができるスイッチです。
クラッチを踏むことなくエンジンスタートができる
このスイッチが必要な理由は、MT車はクラッチを踏まないとエンジンスタートができない事が関係しています。
専門的な言葉で言えば【クラッチスタートシステム】と呼ばれるものだね。
どうしてそんな邪魔くさい機能付いてるの?
理由としては、誤発進を防ぐ目的があるね。
たとえば、エンジンをかけようとなった時。
・ギアは3速に入ったまま
この状態でエンジンをかけると、誤発進により
前に進んだ状態でエンストします。
何もない状態ならいいですが、前が壁もしくは車がいた場合に追突の危険などがあります。
それを防ぐ目的で、クラッチを踏み込んだ状態で
ないとエンジンがかからないようになっています。
ただ、この機能は上記にも言ったように
意外と邪魔くさい機能なんですよね。
特に夏場と冬場。
夏は車内が熱くなっている事が多く、出来れば乗り込まずにエンジンスタートしたい。
冬場は暖気しないと発進ができないし、車内が温まるまで寒いので乗り込みたくない。
こんな理由から椅子に座らない状態もしくは窓の隙間からエンジンスタートしたい方も少なくないはずです!
そこで【クラッチスタート解除スイッチ】の出番という訳です。
椅子に座らないのはもちろんですが、
窓の隙間からというのも楽々できます。
今回使用するスイッチは2極タイプ
ちなみに今回使うスイッチは2極タイプですね。
・とにかく解除したい
・クラッチ踏まずにスタートできればいい
こんな方に最適です。
2極スイッチはON・OFFの2パターンが
できるスイッチで、
・スイッチOFFではスタートできない
図で表した場合はこんな感じだね。
車両側とクラッチ側をそれぞれ分離させた状態で、別途で作ったカプラーとつなげるだけです。
あとはスイッチのON・OFFに合わせて
連動させるだけです。
意外と難しいように感じるかもしれませんが、
実際にやってみると簡単に出来ます。
また今回は紹介しませんが、3極スイッチを
使うのも1つの手です。
準備に必要なパーツ
続いて準備に必要なパーツの紹介です。
クラッチスタート解除スイッチに
必要な物は以下7つです。
トグルスイッチ
クラッチスタート解除(キャンセル)に
欠かせないスイッチになります。
今回はたまたまあったトグルスイッチ(2極)を使いましたが、使い方によっては3極スイッチでもできます。
②OFF=エンジンかからなくなる
③ON=クラッチスタート解除
電工ペンチ
端子類をかしめる専用工具になります。
それ以外にもカットや圧着など。複数の機能を
持ち合わせているので他の作業でも重宝します。
さらに機能の詳しい内容が知りたい場合は、
別記事を参考にしてみてください。
ダブルギボシ端子
片方が二又になっていることで、
配線分岐ができるギボシ端子になります。
通常のタイプと違い複数の分岐ができるので、
配線を多くつなげたい場合に便利です。
平型端子
スイッチに差し込む端子になります。
今回はメスのみ使用なので、オス・メスで使わない場合はメスセット購入するといいでしょう。
また、その際のサイズは250型になります。
配線コード
スイッチ作成に使用する配線になります。
今回は色分けの為に2種類使用しますが、
実際は1色でも問題ありません。
カプラー2極(1122)
車両側とクラッチ側をそれぞれつなぐ
ためのカプラーになります。
GDBの場合はポン付けで取り付けできます。
クラッチスタート解除スイッチの作り方手順
準備が出来たら、先にクラッチスタート
解除スイッチを作ってみましょう。
手順は
・カプラー側の配線を作る
・スイッチ側とカプラー側の配線を繋げる
スイッチにつなげる配線を作る
まず、スイッチにつなげる配線を作りましょう。
片方は平型端子のメス。もう片方は
ダブルギボシ端子をかしめます。
かしめ方は今回省略するので、詳しく知りたい場合は別記事を参考にしてみてください。
カプラー側の配線を作る
スイッチ側の配線が出来たら次は
カプラー側の配線です。
スイッチをどこに取り付けるかで変わりますが、
それに合わせて配線を4本準備しましょう。
2本は平型端子のメス用。もう2本はオス用です。
スイッチ側とカプラー側の配線を繋げる
最後に配線同士を繋げればクラッチスタート解除スイッチの完成です!
実際にスイッチを取り付けてみよう
スイッチが完成したら、実際に取り付け作業をしてみましょう。
作業1.車両のカプラーと作ったカプラーを繋げる
車体側(白)とクラッチ側(黄色)に合わせて
それぞれつないでいきましょう。
GDB-F/G型の場合は
・クラッチ側(黄色)=白/赤と黒/緑
白は赤に黒は黒に繋げます。
白/赤は赤配線に。黒/緑は黒に繋げます。
作業2.作動状況の確認
カプラー同士をつなぐ事が出来たら
作動確認をしてみましょう。
まずスイッチOFFの状態です。
スイッチOFFでは通電しなくなるので、
キーをひねってもエンジンはかかりません。
逆にスイッチONの状態では接点が繋がるので、クラッチを踏まなくてもエンジンスタートができます。
作業3.スイッチを固定する
最後にスイッチを固定して作業は終了となります。
スイッチ自体はどこでもいいですが、
手の届く範囲で取り付けておくと便利です。
これで一連の作業は終了となります。
配線加工が苦手な人からすれば難しそう。そう思う方もいるでしょう。
しかし、今回のように正しい知識と手順を踏む事で、簡単にクラッチスタートスイッチ解除スイッチの取り付けまでができます。
なので、もしこれから取り付けてみたい方は参考にしてみてください。
スイッチをうまく活用してエンジンスタートに役立てよう
以上、クラッチスタート解除スイッチの作り方と
取り付け方法を紹介しました。
今回の記事のおさらいです。
今回使用するスイッチは2極タイプ
3極スイッチを使えば盗難防止にも役立つ
カプラー側の配線を作る
スイッチ側とカプラー側の配線を繋げる
実際にスイッチを取り付けてみよう
作業1.車両のカプラーと作ったカプラーを繋げる
作業2.作動状況の確認
作業3.スイッチを固定する
2極スイッチを活用すれば簡単にクラッチスタート解除ができるので、サクっとスイッチを作って車体に取り付けてみましょう。
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