車が不調を起こした時に確認しておきたい部品の一つがオルタネーター。主に発電機としての役割を持つもので、故障する事によってエンジンが始動しないトラブルを引き起こします。
また走行中に突然エンジンが止まる事で事故を起こす可能性も考えられるので、リスクを減らすには事前に原因や解決策を学んでおくことが大切です。

この記事ではそんなオルタネーターについて、故障する原因や解決策・故障する前兆など記事で詳しくまとめてみました。
✅故障する前兆4つ
✅出先で起きた時の対処法
✅完全に故障しないためにできる対策
※今回の記事以外にもオルタネーターの知識を付けたい。こんな方向けに【オルタネーターに関する悩みや解決策まとめ】で内容をまとめているので一緒に参考にしてみてください。
オルタネーターが故障する原因と対処法

オルタネーターが故障したんだけど、これって何が原因で起こるのかな。
もしこういったトラブルが起きた場合には以下4つの原因が考えられます。
水やオイル類がオルタネーターに飛び散る
熱が原因で壊れる
埃(ほこり)の積り
オルタネーターの寿命
まず第一にオルタネーターの寿命。オルタネーターも消耗品という事で、ある程度時期が経つと劣化によって故障する原因を作ります。
※本来の寿命は10万㎞前後が目安。
特に中古で車を購入した場合は交換していない事が多く、寿命が原因となるリスクが高いです。

もしオルタネーターの故障が原因の場合には、新しい物に交換する事で対処ができます。交換のやり方がわからない方は、【オルタネーターを【簡単10分】で交換する方法と取り換える必要性!】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

水やオイル類がオルタネーターに飛ぶ
2つ目は水やオイル類がオルタネーターに飛び散ること。特に注意したいのが内部のレギュレーターという部品です。
このレギュレーターに水やオイル類が浸入するとショートを起こして機能しなくなります。当然機能しなくなればオルタネーターの故障につながります。
ボンネットで防がれるので普段の雨程度であれば問題はありませんが、深い水たまりで下から冠水や直接水がかかるような場合には注意が必要。
また、同じようにオイルが直接かかるような状態にも注意が必要です。

対処としては、水やオイル類が飛び散る状況を作らない事。冷却水やオイル類がホースが裂ける事で飛び散る場合もあるので、状況に応じて交換するのも一つの手です。
熱が原因で壊れる
3つ目は熱が原因で壊れること。オルタネーターは水やオイル類に弱い部品もありますが、加えて熱にも弱い傾向にあります。
特に注意したいのが夏の炎天下。ただでさえエンジン始動中のエンジンルームは熱を持ちやすい状態ですから、それに加えて夏の暑さが加われば余計に負荷がかかる事になります。
オルタネーターが弱っていれば余計に壊れやすくなるので注意が必要。

対処としては、弱ったオルタネーターを交換する事や熱対策をする事。エンジンルーム内から熱が逃げる工夫をするのがおすすめ。
埃(ほこり)の積り
4つ目は埃(ほこり)の積り。オルタネーターだけに言える事ではありませんが、隙間に埃が積っていくことで中の部品が壊れる原因を作ります。
埃がたまる事で中のブラシの摩耗が進み故障へとつながります。
摩耗が進むと最終的に発電しなくなるので、実質オルタネーターとしての機能をなさなくなります。

対処としては、一度分解して内部の埃を取り除くことで解決ができます。また、もしこの時ブラシの摩耗が進んでいる場合は一緒に交換しておくのもおすすめです。
オルタネーターの故障を予想できる前兆は?
ここからはオルタネーターの故障を予想
できる前兆について確認していきましょう。
・ライトが暗く感じる
・エンジンがかかりにくい
・警告灯が点灯
オルタネーターからの異音
1つ目はオルタネーターからの異音。オルタネーターの異音は、『カリカリ』『カラカラ』や『ウィーン』などの甲高い音ですね。
カリカリ・カラカラと異音がした場合はプーリーの摩耗が考えられます。
プーリーというのは先端についている赤〇の部分。プーリーは、本来ベルトからの電力を伝達して電力を伝えるというものです。
すり減る=摩耗となるので、『カリカリ・カラカラ』と異音が発生するようになります。
ウィーンという異音がした場合はベアリングの劣化が考えられます。
ベアリングというのは内部にある赤〇の部分。大体10万キロ前後の間になると異音がではじめ交換が必要となります。
この症状が出る事によって完全に故障する
前に判断ができるわけですね。
ライト類が暗く感じる
2つ目はライトが暗く感じる症状。車のヘッドライトやメーターなどを確認した際に、
というのも、オルタネーターには本来各電装部分に安定した電気を供給する。という役割があります。
そのため、オルタネーターに異常が見られると、電圧が不安定になるので安定した電気を供給できなくなります。結果としてライト類が暗くなる訳です。
ただこの場合それ以外の可能性も出てくるので、【アイドル不調=オルタネーターではない”関連する4つの原因と確認する手段”】を参考に確認してみてください。

エンジンがかかりにくい
3つ目としてエンジンがかかりにくい症状です。
こういった症状になったことはありませんか?
季節によっては判断しにくい場合もありますが、この症状が出た時はオルタネーターが原因の場合があります。
この症状が関係する理由は供給する電気。先ほどご説明した通り、オルタネーターの役目は電気を供給する事。本来はエンジン始動の際に、セルモーターと呼ばれる部品を介してエンジンを始動させます。
電気を流すとモーターが回り始め、
エンジンが始動と共にその役割を終えます。
このセルモーターは電気を大量に必要とするため、供給する電気が不安定になるとエンジンのかかりが悪くなります。
初期症状はキーをひねった時にエンジンがかかりにくい状態。さらに症状が進むにつれ、信号待ちのたびに止まるようになります。
警告灯が点灯
4つ目として警告灯の点灯。警告灯はバッテリーの形をしたもので、この警告灯はオルタネーターもしくはバッテリーの電気トラブルが起きた際に点灯します。
警告灯の本来の点灯目的は危険を知らせる事。
つまりバッテリー警告灯が点灯する理由は、『バッテリーもしくはオルタネーターが正しく作動していないので危険ですよ。』というのを知らせています。
※詳しい原因については、【【知らないと損】バッテリー警告灯が点灯する原因と走行を続ける危険性】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
ただ、バッテリーなのかオルタネーターなのかがぱっと見では分かりません。しかし逆に考えれば、バッテリーかオルタネーター。2つにまで絞ることができるので、症状から導き出すことができるようになります!
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もし出先でオルタネーターのトラブルが起きたらどう対処すればいい?

原因や前兆については何となくわかったけど、もし出先でオルタネーターのトラブルが起きたらどう対処すればいいの?

そんな時は状況に応じて自走で帰宅やレッカー移動がおすすめだね。
自走できる距離なら帰宅後に修理する
まず自走できる距離なら帰宅後に修理すること。
発進後にすぐ止まるような状態を除いて、一応走行はできる。距離的にも家から近い場合なら自走で帰宅するのも一つの手。
帰宅後に後日オルタネーターの修理をすればKOです。
自走できない場合はレッカー移動
逆に発電が追い付かない場合や旅行などで遠出をしている場合には、無理に走行はせずレッカー移動が最適。
・JAFロードサービス
一般的には保険のロードサービス。保険会社によっては年間○回と制限はありますが、365日全国どこでも対応ができます。
逆にJAFロードサービスは会員でなくても利用ができるサービス。非会員の場合は費用が掛かりますが、同じく遠出した場合にも対応ができます。
※JAFと保険のロードサービスどちらがいいのかわからない方は、【自動車保険・JAFロードサービス選ぶならどっち?”メリット・デメリットと共に比較” |】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。

オルタネーターが完全に故障しないための対策
最後はオルタネーターが完全に故障しないためにできる事について。
症状を知る事ももちろん意味のある事ですが、知るだけではなく自分でも実際に点検する事が大切です。
その点検内容というのが以下の3つ。
・ライト類・メーター類の確認
・バッテリー電圧の確認
異音の確認をする
1つ目は異音の確認をすること。エンジンを始動し、オルタネーター付近に耳を近づけ異音がしないか確認しましょう。異音として多いのが、『カラカラ』『カンカン』といった高い機械音ですね。
この症状の場合、出初めは走行に支障があまりありませんが、走行とともに異音が大きくなり支障が出てきます。
※あまりにも異音が大きくなる場合は、故障の兆しが高いので早めの交換もしくは整備工場に依頼しましょう。
ライト類・メーター類の確認
2つ目はライト類・メーター類の確認をすること。ライト類もしくはメーター類が暗くなっていないか確認しましょう。
メーター類やヘッドライトを見た時に問題がなければ大丈夫ですが、少しでも暗いと感じる場合には様子を見てください。
バッテリー電圧の確認
3つ目はバッテリー電圧の確認をすること。テスターもしくは電圧計を使ってバッテリーの電圧を確認します。
・それ以下の場合弱っている可能性
もう1つの方法は電圧計を取り付ける事です。エンジンが始動していれば常に確認する事ができるので見落とすことがありません。
実際に電圧計の取り付け方が知りたい方は【【電圧計+エーモンリレー】車の電圧計をバッ直電源で繋ぐ簡単な方法】を参考にしてみてください。
エンジン始動中にマイナス端子を抜く
一見この方法を使うとエンジンが止まるのでは?と思われがちですが、オルタネーターには発電機としての役割があるので正常なら貯められた電気でしばらく動き続けます。
逆に、オルタネーターが壊れている場合マイナスを外した時点でエンジンが止まります。
やり方は簡単ですが、工具で外す時にプラス側にあたるとショートしてしまうので注意。手順がわからない方は、【たった2分”自宅や外出中に出来るオルタネーターの作動確認をするやり方” 】で詳しく解説しているので合わせて読んでみてください。
記事のまとめ
以上、オルタネーターの故障原因や故障する前に知るべき症状についてご紹介させていただきました。
今回の記事のおさらいです。
水やオイル類がオルタネーターに飛び散る
熱が原因で壊れる
埃(ほこり)の積り
2.ライト類が暗く感じる
3.エンジンがかかりにくい
4.警告灯が点灯
自走できない場合はレッカー移動も一つの手
・ライト類・メーター類の確認
・バッテリー電圧の確認
オルタネーターが電気を供給=ライト類やエンジン始動で電気を使用。
本来はこうなる仕組みなので、上記のいずれかの症状が出れば『オルタネーターの故障の前触れかも?』と分かるわけです!

なので、もしこのような症状が出た場合には症状に合わせて早めの交換を心がけましょう。