『車屋さんで一緒にオイルエレメントの交換もどうですか』。こういったことを聞かれることはありませんか?
特にオイル交換のタイミングに多く、本来であれば定期的に交換を推奨している訳ですが…
何の為に交換をするのか分からないとなにかと後回しにしがちですよね。
ですがエレメントもオイル同様に重要なパーツなので、交換をしないことでエンジンに悪影響を与える結果になるので注意が必要です。

この記事ではそんなエレメントについて、定期的な交換をおすすめする理由やオイルエレメントの役割をまとめてみました。
✅定期的な交換を進める理由
✅交換時期
オイルエレメント(フィルター)とは

オイルエレメントとは、オイルの汚れをろ過するためのフィルターです。
ろ過=分離すること。

説明だけだとよく分からんのだけど。

そんな方のためにお茶の急須を例に例えて見よう。
急須にお茶を入れる時って、間に茶こしをかぶせますよね?
こんな感じで↓


どんな理由からだと思う?

茶葉が混入しないようにでしょ?

そう。被せる理由は茶葉の混入を防いで詰まるのを防ぐため。
実はエレメントも同じようなもので、急須をエンジンとするなら茶こしはエレメント。エンジン内部で循環する際に、溜まったオイルの塊(スラッジ)をエレメントで受け止めて詰まるのを防ぎます。
エレメントに秘められた役割3つ

また他にもいくつか役割があるので、
以下で一緒に確認してみましょう。
・エンジンを保護する
・オイルの性能を維持する
ろ過して異物の混入を防ぐ
1つ目はろ過して異物の混入を防ぐこと。
先程も言ったように、オイルエレメントは
濾過装置の役割をしたパーツ。
異物(スラッジ、金属粉、カーボンなど)と一緒に流れてきたオイルを一度エレメントで受け止めて、異物だけを留めておく役割があります。
この効果により異物の混入を防ぐことができます。
エンジンを保護する
2つ目はエンジンを保護する役割。
オイルエレメントでろ過されたオイルは異物が混入していない綺麗なオイル。
綺麗なオイルがエンジン内部を循環する事で
エンジン部品の摩耗を防ぎます。
摩耗を防ぐ=エンジンの寿命を延ばすことに繋がる。
オイルの性能を維持する
3つ目はオイルの性能を維持すること。
オイルエレメントにもエンジンオイル同様に
オイルの性能を維持する役割があります。
汚れたままでは性能ダウン繋がりますが、綺麗なオイルが循環すればパーツのスムーズな作動や燃費の悪化を防ぐことに効果があります。
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エレメント交換を怠ると起こる症状

ここからはエレメント交換を怠ると起こる症状について。もし面倒だからと放置ると以下のような症状が起こるので注意が必要です。
水温上昇を起こす
エンジンブロー
動力損失を起こす
まず1つ目の症状として動力損失。
動力損失は、エンジンのパワーが落ちたり
スムーズに加速が出来ない状態です。
たとえば『いつもより加速が鈍くて遅く感じる』こういった症状が現れた場合、動力損失を起こしていることがあります。

もし動力損失の場合、主な原因はフィルターの目詰まり。目詰まりを起こすとエンジン内部へのオイル供給が悪くなり、潤滑や冷却機能の低下でエンジンの回転がスムーズにいかなくなります。
エンジンの回転がスムーズにいかない=動力損失を起こしている。
水温上昇を起こす
2つ目は水温上昇。
水温上昇は、名前の通り水温が上昇したまま
下がらなくなる状態。
例えば『水温計の針が普段よりも上を指している』こういった症状が現れた場合、水温上昇を起こしている事が多いです。

もし水温上昇の場合、主な原因は冷却作用が薄れていること。オイル同様にエンジンの熱を抑える効果が薄れる事で水温上昇を抑えられなくなります。
水温上昇が抑えられない=オーバーヒートの元。
※オーバーヒートについて詳しく知りたい場合は、【オーバーヒートになりやすい原因と”実践で使える3つの対処方法 ”】を参考にしてみてください。
エンジンブロー
3つ目はエンジンブローの症状。
エンジンブローは、名前の通りエンジンが壊れる状態。
例えば、『異音や異臭・過度な白煙・加速しない・警告灯の点灯などが起きている』こういった症状が現れた場合、エンジンブローを起こしている事が多いです。

もしエンジンブローの場合、主な原因は① 異物混入②潤滑不足③ クランクケース内圧上昇。
② 潤滑不足:適切なオイルが供給されずに摩擦が増大して焼き付きを起こす。
③ クランクケース内圧上昇:過度な負荷をかける事で焼き付きを起こす。
エンジンブロー=エンジンが完全に壊れて走行できなくなる。
もし交換となった場合、オーバーホール(エンジンをばらして組み替える)になるので最低でも20万~は覚悟が必要。
なので、症状が軽いうちにエレメントを
交換する事が大切と言えます。
症状を起こさないために知っておきたい!オイルエレメントの交換時期
最後はオイルエレメントの交換時期について。もし症状を起こしたくないという方は参考にしてみてください。
・劣化が早い方はオイル交換の度に交換も
一般的にはオイル交換2回に一回

まず一般的にはオイル交換2回毎にエレメント
交換一回がベストなタイミングです。
ただし、ここで疑問に思うのが『ほんとに2回毎に1回で大丈夫なの?』ではないでしょうか?
オイル交換2回毎にエレメント交換1回。
数値にすればオイル交換1回の目安が5000㎞。
2回であれば10000㎞程となります。

走りすぎな気もするけどどうなの?

オイル事態すぐに汚れる訳じゃないから、距離的にはちょうどいいんだよね。
実際、10000㎞前後で交換する事もあるぐらいなので、エレメントの交換が2回に1回でも問題はありません。
ちなみに1万km前後ならこのくらいの黒さです。新油と比べれば黒くはなっているものの、ドロドロとした個体にはなっていません。
この程度までであれば、エレメントは無交換でも走行はできます。
ただしそれ以上は2万km。3万kmと距離が増えるたびに、スラッジ(汚れ)で目つまりを起こしやすくなりエンジンを壊す結果となります。
つまり、無交換状態で走行するなら1万キロ程度までに抑えておきましょうって事。
また、たまに早い交換なほどエンジン保護として最適という方もいますが、結局汚れてなければオイルが無駄になってしまうのでおすすめな方法とは言えません。
なので、交換の目安としては2回に1回の交換でも問題ないといえるでしょう!
※エレメントの交換方法については、【作業は5分程度”オイルエレメントを簡単に交換するやり方と処理の方法”】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
劣化が早い方はオイル交換の度に交換も

このように交換目安はオイル交換2回につき1回となっていますが、その中にはもちろん例外もあります。

さっきは2回に1回のペースで交換で大丈夫って言ったんだけど、例外の場合もあるんだよね。

それってどんな時?

サーキットなどのエンジンに負担がかかる場合だね。
本来であれば走行距離に比例してうまい具合に汚れが出るので交換となります。
ですが、サーキットのような常に全開で走行を前提とする場合はエンジンに高負荷がかかるので、距離に反比例して汚れ具合も大きく変わります!
特にオイルが循環しているエンジン内部では、オイル性能が低下することでダメージは日々蓄積されます。
オイルが汚れる=エレメントも同じく汚れる。
ですので全開走行を前提とするサーキットでは、一回のオイル交換で毎回エレメントも交換するようにするといいでしょう!
ちなみに低下する理由として5つの作用が関係してくるわけですが…
詳しくは【エンジンオイルに含まれる5つの役割と定期的な交換をおすすめする理由を解説!】を参考にしてみてください。
エンジンを壊さない為にも定期的な交換が大切です
以上、オイルエレメント(フィルター)に含まれる3つの役割と定期的な交換をおすすめする理由についてお伝えしました。
この記事のおさらい。
エンジンを保護する
オイルの性能を維持する
水温上昇を起こす
エンジンブロー
劣化が早い方はオイル交換の度に交換も
記事でもわかる通りオイルエレメントはオイルの
汚れをろ過するためのフィルター。
ろ過することによって、異物の混入を防ぐ⇒きれいなオイルだけを循環させてエンジン保護やオイルの性能を維持する役割があります。
ただ、あくまで定期的な交換をした場合。距離と共にエレメントも性能が劣化するので、このまま放置すればエレメント本来の効果を維持できなくなります。
※定期的な交換をおすすめする理由はこのため。

そのため、もしこれから先エレメントが元でトラブルを起こしたくない人は記事を参考にベストなタイミングで交換を心がけましょう。