車にとっての電動(ラジエーター)ファンは、
エンジンの熱を下げる効果を持つパーツ。
本来であれば一定以上の温度に上昇した際に、ファンが作動⇒ファンの風を利用してラジエーターを冷やす効果を持ちますが…
いざ温度が上がった(熱を持ちすぎた)のに、改善がされない(ファンが回らない)と頭を悩ませてしまうことってありますよね。
結論、問題解決をしたい場合は以下のポイントを押さえておくことが大切。
・何が壊れると回らなくなるのか
上記の条件を把握していれば、だれでも簡単に解決への一歩が踏み出せます。

本記事では、そんな電動(ラジエーター)ファンについて回る条件や回らない場合の原因・対処法・防ぐ対策をまとめました。
✅自分で作業するのに役立てたい
✅回らない原因や対処方法が知りたい
電動(ラジエーター)ファンが回る条件は2つ
まずタイトルにある【電動ファンが回る条件】について。
ファンが回る条件には
・エアコン(冷房)を使った時
2つがあります。
水温が異常に高くなった時
結論から言えばラジエーター内の水温が異常に高くなった時です。
というのも、電動ファンというのはそもそも通常時なら回るものではありません。
理由は簡単で、ラジエーター内の水温(冷却水)が熱くなった時に走行風によって冷やされる為。
本来であれば走行中は常に風によって
冷やされるので電動ファンの出番はありません。
ですが、条件を満たすと電動ファンが周り冷却を開始します。
その条件が異常に高くなった時です。
・アイドリング時
・エンジンに負荷が掛かった時
・夏場の暑い日

異常っていうけど、どのくらいの温度なの?

だいたい95℃〜100℃前後だね。
水温は100℃を超えると沸騰し始める。沸騰するとエンジンにダメージを与え焼き付きを起こしてしまうので、そうならないために電動ファンで強制的に冷やし始めます。
だいたい90℃前後まで冷やしきれば
電動ファンは自動で止まります。
これが電動ファンの一連の流れですね。
ちなみに、「常に電動ファンが回ってれば安全なのでは?」とたまに言う人がいますが…状況によっては危険なのでおすすめとは言えません。
特に冬の寒い日。常に回るということは冬の寒い日にも回るので、逆に冷えすぎてオーバークールになります。

オーバークールとはなんぞ?

逆に冷えすぎる状態のことだね。
冷え過ぎた場合は運転に支障を来たしてしまうので、回りすぎもよくありません!
※今回はオーバークールについては省略するので、詳しく知りたい場合は【【知らないと危険】オーバークールになる3つの原因と取るべき対処方法】を参考にしてみてください。
エアコン(冷房)を使った時
もう一つはエアコン(冷房)を使った時。
エアコン(冷房)を使う場合、途中の過程でコンデンサーと呼ばれるパーツが使われます。
なったエアコンガスを冷却や液化させる役割を持つ。
ですがコンデンサーは熱を持ちやすいので、そのままでは熱を抑えきれずにエアコン(冷房)の効きが悪くなります。
それを防ぐ目的で、コンデンサーを冷却する
為に電動(ラジエーター)ファンを回すという訳です。
ファンが回らない場合の原因と対処方法
ここからは電動ファンが回らない場合の原因と対処方法。
もしファンが回らない場合には以下の原因が当てはまります。
電動ファンモーターの故障
まず1つ目は電動ファンモーターの故障。電動ファンモーターも当然消耗部品なので使い続ければいつかは壊れます。
そのため、故障なら交換しない
限りは治りません。

ちなみになんだけど、本体が原因かどうか確認する方法ってあるの?

確認する場合は、バッテリーと直結してみて作動するかどうかを見れば1発だね。
直径した時にファンが回ればファンは正常。
反応しない場合はファンモーターが原因です。

もしファンモーターが原因の場合は交換する事で対処できます。
詳しくは【【自宅で作業出来る】電動(ラジエーター)ファンモーターの交換方法】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
サーモスタットの故障
バッテリーで直結した時にファンが作動するとなれば他に原因がある訳で…
もうひとつはサーモスタットです。
サーモスタットは水温(冷却水)を検知する部品。
・温度が低い=サーモが閉じる
温度が高くなるとサーモが開き冷やそうとする働きをします。
サーモが開く→電動ファンに伝わりファンが回り出す。温度が一定になるとサーモは閉じる。温度が低い場合はサーモは閉じたまま。当然電動ファンは回りません。これが本来の流れです。
ですがサーモスタットが故障してしまうと、
開いたまま。もしくは閉じたままになる。
電動ファンが回らない場合は閉じたままの状態。なので、どんなに水温が上がっても電動ファンは回らなくなるという訳です。
※サーモスタットの交換方法については、【車のサーモスタット交換方法″15分で終わる作業の流れ(4step)と交換後にやる事項を紹介″】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
ヒューズ切れ
3つ目はヒューズ切れ。
電動(ラジエーター)ファンにもヒューズがあり、切れる事でファンが回らなくなります。
例えばインプレッサ(GDB)を例とした場合は、画像の矢印の位置。メインとサブの2つがあるので、20Aのヒューズが2つ使われています。他にも車種によっては1つだけの場合も。

もしヒューズ切れが原因なら、ヒューズを新しいものに変えると対処ができます。
※ヒューズ交換のやり方も知りたい方は、【【作業は1分で完了】ラジエーターファンのヒューズ交換″DIY(自分)で出来る簡単なやり方を紹介″】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
配線の断線
4つ目は配線の断線。
電動(ラジエーター)ファンにつながる配線が、途中で断線することでファンが回らなくなる。

もし断線が原因なら、配線を新しくつなぎなおす。もしくははんだ付けする事で対処できます。
※はんだ付けのやり方も知りたい方は、【配線同士を綺麗に繋げるはんだ付けの手順と失敗しない為の4つの注意点】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
電動ファンの故障を防ぐためにできる対策
最後にファンの故障を防ぐために
出来る簡単な方法を紹介します。
できるだけ車に乗る度に水温は確認しよう
たまにでいいので点検をしよう
まず1つ目は点検をすること。
アイドリングの状態でしばらく放置して水温が上がるのを待ちましょう。
水温上昇→ファンが回る→温度が下がる→ファンがきれる。
この流れをたまにでいいので確認することで、
作動状況が分かります。
できるだけ車に乗る度に水温確認
もうひとつは水温を確認すること。
純正でも水温計はついているので
乗る度に確認してみましょう。
水温が異常上昇したままなら危険。上昇後に下がれば安全というのがひと目で分かります。
※もしさらに水温を細かく確認したい方は追加メーターが最適。水温系については、【水温計のおすすめ5選 ”現在の数値把握から普段の温度管理出来る物まで役立つものを厳選″】でまとめているので一緒に参考にしてみてください。
交換時期を目安にパーツを交換
3つ目は交換時期を目安にパーツを交換する事。
サーモスタット | 温度調整をするパーツ。開くと冷やす、閉じると温める仕組み。 |
ファンモーター | 電動(ラジエーター)ファンを回す為のモーター。 |
ヒューズ | 電動(ラジエーター)ファンを動かすために必要。切れると作動しなくなる。 |
いずれかのパーツを10万km目安に
交換を心がけることで対策ができます。
電動(ラジエーター)ファンの構造を理解してこれからに役立てよう
以上、車で使われる電動ファンが回る条件と回らない場合の対処方法を解説しました。
今回のおさらいです。
・一定温度まで冷えると自動で切れる
・温度としては95℃〜100℃の間
・一定温度まで冷えると自動で切れる
サーモスタットの故障
ヒューズ切れ
配線の断線
・できるだけ車に乗る度に水温は確認
・交換時期を目安にパーツを交換する
もし電動ファンが回らないからと言って焦る
必要はありません。
今回のように正しい知識をつける事で、今後回らなくなった場合に自分で対処ができるようになります。なので、まずは原因を解明して正しい対処を心がけることが大切。

なお、別記事では【【夏の猛暑に最適】電動ファンを強制的に回す方法と使用時の注意点!】で電動ファンを強制的に回す方法も解説しているので参考にしてみてください。